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無期雇用派遣から正社員へ転職する2つのルートと判断の目安

「無期雇用派遣から転職して、正社員として働きたい」「今の派遣先で直接雇用を目指すべきか、他社に応募すべきか迷っている」と悩んでいませんか。

無期雇用派遣から正社員を目指すルートは、現在の派遣先で直接雇用されるルートと、他社の中途採用に応募して転職するルートの2つです。

無期雇用派遣で積んだ実務経験を整理して伝えられれば、どちらのルートでも正社員を目指せます。

この記事では、2つのルートの進め方と、就業年数ごとの判断の目安、派遣労働者が知っておきたい法律上のルール、履歴書・志望動機の書き方までを解説します。

この記事を読んでわかること
  • 無期雇用派遣の仕組みと、転職を考える主なきっかけ
  • 派遣先での直接雇用と他社への転職という2つのルート、就業年数ごとの判断の目安
  • 無期雇用派遣ならではの履歴書の書き方と志望動機の例文

1.無期雇用派遣からの転職は可能?まず押さえたい仕組み

1.無期雇用派遣からの転職は可能?まず押さえたい仕組み

無期雇用派遣から正社員への転職や、別の職種へのキャリアチェンジは可能です。

転職の進め方を考える前に、無期雇用派遣という働き方の仕組みと、ほかの雇用形態との違いを確認しておきましょう。

無期雇用派遣と登録型派遣・正社員の違い

無期雇用派遣(常用型派遣)は、派遣会社と期間の定めのない労働契約を結び、派遣先の企業で業務を行う働き方です。

登録型派遣・正社員との主な違いは、以下の表のとおりです。

項目登録型派遣(有期)無期雇用派遣正社員(直接雇用)
雇用元派遣会社派遣会社勤務先企業
雇用期間派遣期間に合わせた有期契約が多い期間の定めなし期間の定めなし
給与形態時給制が多い月給制が多い月給制が多い
派遣先がない期間契約が終了することが多い雇用は継続(休業手当などの対象)派遣ではないため該当なし
派遣期間の制限(3年ルール)対象対象外派遣ではないため該当なし
転職するときの手続き契約満了または派遣会社を退職派遣会社を退職勤務先企業を退職

登録型派遣との違い|派遣先との契約が終わっても雇用が続く

登録型派遣(有期雇用派遣)は、派遣先での就業期間に合わせて有期の契約を結ぶことが多い働き方です。

一方、無期雇用派遣は派遣先との契約が終了しても、派遣会社との雇用関係が続きます。

次の派遣先が決まるまでの待機期間中も雇用は続き、会社の都合で休業する場合は休業手当などが支払われる点が特徴です。

また、無期雇用派遣は派遣期間の制限(いわゆる3年ルール)の対象外です。3年ルールとは、同じ事業所や同じ組織単位(課など)で働ける期間を原則3年までとする制限のことです。

そのため、派遣先の都合が合えば、同じ職場で長く働くこともできます。

正社員との違い|雇用元が派遣会社

正社員との大きな違いは「雇用元がどこか」という点です。

正社員は勤務先の企業と直接雇用契約を結びますが、無期雇用派遣の雇用元はあくまで派遣会社です。

そのため、派遣先で直接雇用される場合も、他社へ転職する場合も、派遣会社を退職して新しい会社と雇用契約を結ぶことになります。2つのルートの進め方は、3章で詳しく解説します。

紹介予定派遣との違い|最初から直接雇用を予定している

無期雇用派遣と似た仕組みに「紹介予定派遣」があります。

紹介予定派遣は、6か月以内の派遣期間を経て、派遣先での直接雇用に移ることを予定した派遣です。最初から直接雇用を前提としている点が、無期雇用派遣と異なります。

なお、直接雇用後の雇用形態は正社員とは限らないため、求人票で確認しておきましょう。

早く直接雇用に移りたいなら紹介予定派遣、雇用の安定を優先しながら実績を積みたいなら無期雇用派遣、というように目的に応じて使い分けるとよいでしょう。

2.無期雇用派遣から転職を考える主なきっかけと実態

2.無期雇用派遣から転職を考える主なきっかけと実態

インターネットやSNSでは「無期雇用派遣はやめとけ」「正社員になれない」といった意見も見られます。

ここでは、無期雇用派遣で働く人が転職を考える主なきっかけと、その実態を確認していきましょう。

配属先や業務内容を自由に選べないケースがある

転職を考えるきっかけの一つに、「希望する勤務地や業務を自分で選べるとは限らない」という点があります。

派遣会社は雇用を継続する前提で、社内の人員配置や派遣先との契約状況に応じて配属先を決めます。

登録型派遣のように「提示された条件を見て断る」という自由度は低く、場合によっては自分の適性やキャリアプランと少し異なる現場に配属される可能性もあります。

希望と異なる業務であっても、そこで学んだ業務の進め方や調整の経験は、転職時にアピールできる実績になります。

正社員と同等業務でも給与・昇給の限界を感じやすい

派遣先の正社員と同じような業務や責任を担っているのに、基本給の上がり幅が小さかったり、賞与(ボーナス)の額に差があったりすることで不満を感じるケースもあります。

民間の意識調査でも、無期雇用派遣の経験者から「派遣先の正社員と同等の業務をしていても、給与は派遣会社から支払われるため、給与や賞与に差がある」という声が寄せられています。

派遣労働者の給与は、派遣会社が派遣先から受け取る派遣料金や、派遣会社の賃金制度をもとに決まるため、個人の努力だけでは大きく上げにくい面があります。

待遇差や昇給の限界を感じたときは、派遣先での直接雇用や他社への正社員転職を具体的に検討するタイミングといえます。

ただし、派遣先で直接雇用されたからといって、必ず年収が大きく上がるとは限りません。

直接雇用の雇用形態が正社員か契約社員か、月給・賞与・手当がどう変わるかは企業によって異なるため、打診を受けた段階で条件を書面で確認しておくと安心です。

未経験から実務経験を積み次のステップへ進むメリット

一方で、無期雇用派遣には「未経験の仕事でも実務経験を積みやすい」というメリットがあります。

未経験の職種に正社員として直接応募する場合、経験者が優先されやすく、書類選考で不採用になることも珍しくありません。

無期雇用派遣であれば、派遣会社の研修やサポートを受けながら、実際の現場で仕事を始められる場合があります。

建設分野では、現場での作業そのもの(建設業務)は派遣が禁止されていますが、施工管理業務は派遣の対象となるため、施工管理(アシスタントを含む)の実務経験を積むことができます。

月給制で収入を安定させながら実務スキルを身につけたり資格を取得したりできるため、将来の正社員転職に向けた「実績」を作る手段になります。

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3.無期雇用派遣から正社員を目指す2つのルートと判断の目安

3.無期雇用派遣から正社員を目指す2つのルートと判断の目安

無期雇用派遣から正社員を目指すときは、ルートごとに進め方と確認しておきたいルールが異なります。

ルート1:現在の派遣先企業で直接雇用(正社員登用)を狙う

今の派遣先で正社員を目指す場合は、評価を積み重ね、正社員募集の情報を確認し、派遣会社を通じて相談する、という流れで進めます。

日々の業務で評価を積み重ねる

まずは、日々の業務で評価を積み重ねることが基本です。

与えられた指示をこなすだけでなく、業務の進め方の改善や周囲との円滑なコミュニケーションを意識し、職場で頼られる存在になることを目指します。

直接雇用の打診につなげるための主なポイントは以下のとおりです。

  • 指示を待つだけでなく、次に必要な作業を予測して動く
  • 報連相(報告・連絡・相談)を徹底し、現場の責任者との信頼関係を深める
  • 施工管理技士の第一次検定(1級は19歳以上、2級は17歳以上で受検可能)など、業務に関連する資格の取得に取り組む

1年以上働いたら正社員募集の情報を確認する

派遣先が同じ事業所で1年以上続けて受け入れている派遣労働者がいる場合、その事業所で正社員を募集するときは、派遣先はその派遣労働者にも募集情報を周知しなければならないとされています。

1年以上同じ派遣先で働いているなら、正社員募集の情報が届いているか、派遣先や派遣会社の担当者に確認してみましょう。

派遣会社を通じて直接雇用を相談する

派遣先から評価を得られたら、派遣会社の担当者を通じて直接雇用の可能性や時期を相談していきます。

直接雇用が決まったら、本人・派遣会社・派遣先の三者で、派遣会社の退職日と派遣先への入社日を調整しておくと手続きがスムーズです。

派遣会社は派遣先への入社を原則として制限できない

労働者派遣法では、派遣会社が正当な理由なく「派遣会社を辞めた後に派遣先に雇用されること」を禁じる契約を、派遣労働者や派遣先と結ぶことを禁止しています。

そのため、派遣先から直接雇用の誘いを受けた場合も、派遣会社との雇用関係が終わった後に派遣先へ入社すること自体は、原則として制限されません。

ルート2:他社の正社員中途採用枠に応募して転職する

派遣先に直接雇用の制度や予定がない場合や、より条件のよい企業に挑戦したい場合は、他社の中途採用に応募するルートを選びます。

このルートの選考で重視されやすいのは、「無期雇用派遣としてどのような実務を経験し、入社後にどう貢献できるか」です。

転職活動は、以下の流れで進めます。

  • 経験の棚卸し
    担当した業務と、ポータブルスキル(対人折衝力、計画立案力、課題解決力など)を書き出して言葉にする。
  • 応募準備
    実績をできるだけ数字で示した職務経歴書を作り、前向きな転職理由を整理する。
  • 選考・退職調整
    派遣先の業務に支障が出ないよう面接日程を調整し、内定後は就業規則の定めを確認したうえで派遣会社に退職の意思を伝える。あわせて引き継ぎの計画も立てておく。

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1年目〜3年目で見極める「登用を狙うか、転職するか」の判断軸

2つのルートのどちらを選ぶか迷う場合は、同じ派遣先での就業年数を目安にすると整理しやすくなります。

  • 1年目
    目の前の業務で信頼を積み上げる期間。派遣先に正社員登用の制度や実績があるかを、派遣会社の担当者を通じて確認しておく。
  • 2年目
    派遣先から直接雇用の打診や前向きな反応があるか、正社員募集の情報が届いているかを見極める。反応が乏しい場合は、並行して他社の求人を調べ始める。
  • 3年目
    登用の見込みが薄いと判断した場合は、経験の棚卸しを終えて本格的な転職活動に移る。

この年数は、実績を語れるだけの経験を積みつつ、登用の見込みを確かめるための一つの目安です。派遣先の状況や本人の希望によって、早めに動いたほうがよい場合もあります。

直接雇用の実績は派遣会社によって差があるため、担当者に「派遣先に直接雇用された事例があるか」「直接雇用まで、どのくらいの期間がかかったか」を確認し、比較しておくと遠回りを避けやすくなります。

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4.無期雇用派遣からの転職で使える履歴書・志望動機の書き方

4.無期雇用派遣からの転職で使える履歴書・志望動機の書き方

中途採用の選考では、無期雇用派遣ならではの職歴の書き方を押さえ、採用担当者に自分の経験を正確に伝えることが大切です。

無期雇用派遣特有の職歴欄の書き方(入社・就業・退職)

履歴書や職務経歴書の職歴欄では、雇用元である派遣会社と、実際に働いた派遣先を書き分けるのが一般的です。

派遣会社については「入社」、派遣先については「派遣社員として就業」や「配属」として記載します。

派遣先での就業が終わった場合は「派遣期間満了」、派遣会社を自己都合で辞めた場合は「一身上の都合により退職」と書くのが一般的です。

【履歴書・職歴欄の書き方見本】

令和〇年〇月 〇〇株式会社(派遣元) 入社(無期雇用派遣)

令和〇年〇月 株式会社△△建設(派遣先)にて派遣社員として就業
施工管理アシスタントとして安全書類の作成、工程表の作成補助に従事

令和〇年〇月 株式会社△△建設での派遣期間満了

令和〇年〇月 〇〇株式会社(派遣元) 一身上の都合により退職

このように書き分けることで、雇用元と実際の勤務先が採用担当者に正しく伝わります。

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「安定したい」を前向きな貢献意欲に変える志望動機の例文

転職理由や志望動機を聞かれたとき、「雇用を安定させたい」「給与を上げたい」という本音をそのまま伝えると、受け身な印象を与えるおそれがあります。

「これまでの経験を活かして、入社後にどのように貢献したいか」という前向きな意欲に置き換えて伝えることが大切です。

【志望動機・面接トークの例文①(施工管理補佐)】

「これまで無期雇用派遣として、主に建築現場での施工管理補佐業務に携わってまいりました。

工事写真の撮影や安全点検、協力会社との調整を通じて、工事を円滑に進めるための段取り力を培ってまいりました。

今後は、これまでの実務経験と調整力を活かし、貴社の正社員としてより大きな責任を持って工程管理や品質管理に携わり、組織の目標達成に貢献したいと考え応募いたしました。」

【志望動機・面接トークの例文②(事務)】

「無期雇用派遣として2年間、営業事務のサポート業務に従事し、受発注管理や社内外の調整業務を担当してまいりました。

業務フローの見直しを提案し、処理時間の短縮に取り組んだ経験があります。

貴社では、これまでの経験を活かして事務業務の効率化を主体的に進め、より裁量を持って組織運営に貢献したいと考えております。」

自分の「できること」と、応募先企業が「求めていること」を重ね合わせ、前向きな貢献意欲として文章を組み立てましょう。

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5.無期雇用派遣からの転職でよくある質問(FAQ)

5.無期雇用派遣からの転職でよくある質問(FAQ)

転職活動をしていることは、派遣会社に伝えるべきですか?

情報収集や応募の段階で、派遣会社に伝える必要は一般的にはありません。勤務時間外や休日に転職活動をすること自体は、通常問題になりません。

ただし、面接のために急な休みを繰り返すなど、派遣先の業務に支障が出ないよう注意しましょう。内定が出て退職日を決める段階になったら、派遣会社の担当者に伝えます。

無期雇用派遣を辞めるときは、何日前までに伝えればよいですか?

期間の定めのない雇用契約は、民法上、退職を申し出た日から2週間で終了するとされています。ただし、就業規則に退職の申し出時期が定められている場合は、原則としてその定めが適用されます。

派遣先での引き継ぎや後任の手配も必要になるため、まず就業規則を確認し、余裕を持って派遣会社に伝えましょう。判断に迷う場合は、都道府県労働局の総合労働相談コーナーなどで確認できます。

無期雇用派遣から未経験の職種へ転職することはできますか?

可能です。ただし、職種によっては経験者を中心に採用していることもあるため、求人の応募条件で「未経験可」かどうかを確認しましょう。

専門知識が求められる職種では、在職中に関連する資格の取得や勉強を進めておくと、選考で意欲や適性を伝えやすくなります。

■正社員への一歩を相談したい方へ

職務経歴書の作成や面接の準備、退職のタイミングなど、正社員転職に向けた準備は一人で抱え込まず、当社の転職支援担当者に相談しながら進めることもできます。

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6.無期雇用派遣からの転職を成功させるために大切なこと

無期雇用派遣は、未経験からでも実務経験を積み、スキルを身につけられる働き方の一つです。

「やめとけ」という声だけで判断せず、自分の現状と将来の希望を整理することが大切です。

正社員を目指す方法には、今の派遣先での直接雇用を目指すルートと、実務経験を活かして他社の中途採用に応募するルートの2つがあります。

就業年数を目安に登用の見込みを見極めながら、日々の業務で経験を積み、応募書類や面接で「入社後にどう貢献できるか」を具体的に伝えましょう。

自分の強みを把握し、計画的に準備を進めて、希望する働き方とキャリアの実現を目指していきましょう。

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