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建設事務は離職率が低い!その理由と仕事内容、資格について解説

建設業界の事務職に対し、「現場が怖そう」「残業が多くてきつそう」といったイメージを抱く人は少なくありません。

こうした不安から選択肢から外してしまうのは、実は非常に惜しいことだと言えます。

データを見ると、建設事務は「一般事務よりも給与水準が高く」、「一度入社すると辞める人が意外と少ない」という、知る人ぞ知る”穴場”の職種だからです。

この記事では、建設事務のリアルな仕事内容から、なぜ今が好機なのかという理由、そして未経験からキャリアを築くための具体的な戦略までをわかりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 「現場事務」や「経理」など、大きく4つに分かれる建設事務の具体的な仕事内容について
  • 「きつい」というイメージと、データが示す「離職率10.5%」という安定した実態のギャップについて
  • 一般事務より有利な理由と、未経験からのキャリアアップに効く「建設業経理士」資格の価値について

1.建設事務とは?仕事内容は大きく「4つの職種」に分かれる

建設事務の主な4つの職種

現場事務 工事現場の最前線で
チームを支える

経理事務 お金の管理で
プロジェクトを守る

総務事務 会社全体の環境を整える

営業事務 公共工事受注の鍵を握る

「建設事務」と一言で言っても、実はその仕事内容は働く場所や役割によって大きく4つに分類されます。適性や希望する働き方に合わせて選ぶことが、ミスマッチを防ぐ第一歩です。

1. 現場事務:工事現場の最前線でチームを支える

建設業界ならではのユニークな職種が、この「現場事務(現場代理人補佐)」です。

本社オフィスではなく、工事現場に設置されたプレハブの仮設事務所に常駐し、現場監督(施工管理技士)が工事の指揮に集中できるよう、事務面から全面的にバックアップします。

具体的な業務内容は非常に幅広く、現場に入る作業員の安全を守るための書類「グリーンファイル(安全書類)」の作成・整備や、毎日の職人さんの出面(でづら:勤怠状況)の管理が主な業務です。

さらに、工事写真の整理、近隣住民への挨拶回り、職人さんのお弁当手配まで担当することもあります。

現場事務は、単なるデスクワークではありません。現場監督や職人さんたちと密にコミュニケーションを取りながら、チームの一員として巨大な建物が出来上がっていくプロセスを共有できるため、「地図に残る仕事」に携わっているという達成感と一体感を味わえるのが魅力の一つです。

2. 経理事務:お金の管理でプロジェクトを守る

建設会社の本社や支店において、会社のお金の流れを管理する重要なポジションです。

一般的な企業の経理と大きく異なる点は、「建設業会計(建設業簿記)」という業界特有の会計ルールに基づいて業務を行うことです。

建設業では、一つの工事(プロジェクト)ごとに、材料費、人件費、外注費などがいくらかかったのかという「原価管理」を厳密に行う必要があります。

扱う金額は一つのプロジェクトで数千万円から数億円、時にはそれ以上になることも珍しくなく、わずかな計算ミスが会社の利益に大きな影響を与えるため、高い正確性と責任感が求められます

また、工事の進捗に合わせて代金を請求する「出来高請求」など、特殊な商慣習も多いため、専門知識を身につけることで「代えの利かない人材」として重宝される職種です。

3. 総務事務:会社全体の環境を整える

企業の基盤を支え、社員全員が働きやすい環境を整えるのが総務事務の役割です。

備品の発注・在庫管理、電話・来客対応、施設管理といった一般的な総務業務に加え、建設業特有のイベント運営にも携わります。

例えば、建設業界では労働災害防止のために定期的に開催される「安全大会」という大規模な行事があり、その会場手配や運営準備などは総務の重要な仕事となります。

また、社員の入退社に伴う社会保険の手続きや、健康診断の手配といった労務管理的な業務を兼務することも多くあります。

現場で働く社員や技術者が業務に専念できるよう、きめ細やかなサポートを行う「縁の下の力持ち」と言えるでしょう。

4. 営業事務:公共工事受注の鍵を握る

営業担当者のサポートを行いますが、建設業の営業事務には、他業界の営業事務とは一線を画す非常に専門的なミッションがあります。

それは、公共工事を受注するために不可欠な「入札」に関連する書類作成です。

特に、国や自治体の入札に参加する資格を得るための「経営事項審査(経審)」の申請書類作成や、入札参加資格審査申請書の準備は、極めて正確な処理が求められます。

もし書類に不備があれば、会社は入札に参加できず、大きなビジネスチャンスを逃してしまう可能性があるからです。

見積書の作成補助や顧客対応に加え、こうした法的な手続きをミスなく遂行する能力は、会社の売上と信用に直結するため、経営層からも高く評価されるやりがいのあるポジションです。

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建設業界では施工管理職も事務職と連携しながらプロジェクトを支えています。施工管理の仕事内容や現場監督との違いを知ることで、事務としてのサポート業務への理解がより深まります。

施工管理の仕事内容は?年収・資格・現場監督との違い
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2.建設事務は本当に「きつい」?データで見る業界のリアル

建設事務は本当に「きつい」?データで見る業界のリアル

「建設業はきつい・汚い・危険の3K」というイメージは根強く残っています。しかし、実際の事務職の労働環境はどうなのでしょうか。客観的なデータに基づいて検証します。

「きつい」と言われる3つの主な理由

「きつい」と言われる3つの主な理由

男性中心の環境

アナログ文化の残り

工期前の繁忙

建設事務の仕事が「きつい」と言われる背景には、業界特有の構造的な理由がいくつか存在します。

よく挙げられる理由は以下の3点です。

①男性中心の職場環境

現場や社内は依然として男性比率が高く、独特の言葉遣いや雰囲気に慣れるまでは、コミュニケーションに戸惑いやストレスを感じる方がいるでしょう。

②アナログ文化の残り

IT化が進みつつあるとはいえ、注文書がFAXで送られてきたり、手書きの日報をデータ入力し直したりといった、非効率な業務が残っている企業もまだ少なくありません。

その場合、事務処理が煩雑になりがちです。

③工期前の繁忙

工事が終わる直前(工期末)は、膨大な完了書類の整理や精算業務が一気に集中するため、どうしても残業時間が増え、休日出勤が発生することもあります。

これらの要素が複合的に絡み合い、「建設事務=きつい」というイメージが形成されています。

【データ解説】実は「離職率10.5%」の安定した職場

「きつい」というイメージが先行していますが、客観的なデータを見ると、全く異なる実態が浮かび上がってきます。

厚生労働省の「令和6年 雇用動向調査結果の概要」によると、建設業の離職率は10.0%です。

これは、全産業平均の14.2%を下回る数字であり、宿泊・飲食サービス業(25.1%)と比較すると約半分の水準になります。

【産業別入離職率の比較】

データ解説】実は「離職率10.5%」の安定した職場

このデータから読み取れるのは、「建設業界は入ってくる人(入職者)は少な目だが、一度入社すると辞める人は意外と少ない」という事実です。

実際に働いてみると、人間関係がウェットで温かかったり、給与などの待遇面が安定していたりと、長く働き続けられる環境であると言えます。

イメージだけで判断せず、この「高い定着率」という事実に目を向けることが、賢い仕事選びのポイントと言えるでしょう。

参考|厚生労働省:令和6年 雇用動向調査結果の概要

2024年問題とDXで変わり始めた働き方

さらに、今の建設業界は「働き方改革」の真っ只中にあります。

2024年4月から建設業にも罰則付きの「時間外労働の上限規制」が適用されたことで、長時間労働の是正は企業の最優先課題となりました。

これに伴い、急速に進んでいるのがDX(デジタルトランスフォーメーション)です。

勤怠管理や安全書類作成のためのSaaS(クラウドサービス)や施工管理アプリの導入が進み、これまで手作業やExcelで行っていた事務処理が劇的に効率化されています。

例えば、現場に行かずに写真整理ができたり、スマホで日報提出が完了したりと、業務の負担は以前とは比べ物にならないほど軽減されつつあります。

「きついアナログ業務」は過去のものになりつつあり、今はよりスマートな働き方へと移行する過渡期にあるのです。

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3.一般事務より有利?建設事務を目指すべき3つのメリット

建設業へ転職する3つの魅力

1. 有効求人倍率が高い

2. 給与水準が高い

3. 専門スキルが
身につく

キャリア形成の観点から分析すると、建設事務は「競争が激しい一般事務」を避けて、賢くキャリアを築ける「ブルーオーシャン(競合が少ない市場)」です。

1. 有効求人倍率が高く、未経験でもチャンスが豊富

一般的な「一般事務職」は非常に人気が高く、有効求人倍率は0.3倍〜0.4倍程度と言われています。

これは、1人の採用枠に対して3人以上の応募者が殺到することを意味し、経験者でなければ採用されるのは至難の業です。

対照的に、建設業界の求人倍率は職種によっては6倍を超えることもあるほどの「超・売り手市場」です。

人手不足という背景があるため、企業は未経験者であってもポテンシャルを重視して積極的に採用する傾向にあります。

「事務職になりたいけれど、未経験だからどこも受からない」と悩んでいる方にとって、建設事務は競争率が低く、かつ教育体制が整った正社員としての採用を狙える、まさに「ブルーオーシャン(競合の少ない市場)」です。

2. 給与水準が高く、ボーナスも期待できる

「事務職は給料が低い」と諦めていませんか。建設事務の大きな魅力の一つは、他業界の事務職と比較して給与水準が高いことです。

厚生労働省の統計によると、建設業全体の平均年収は約352.6万円となっています。

もちろん企業規模によって差はありますが、建設業界は一つのプロジェクトで動く金額が大きいため、利益が出やすい構造にあります。

そして、その利益を従業員に還元する体力がある企業が多いのが特徴です。

また、建設業は年齢とともに給与が上がる年功序列的な給与体系が残っていることも多く、長く勤めることで着実に収入アップを目指せる点も、安定を求める方にとっては大きなメリットと言えるでしょう。

参考|厚生労働省:令和6年賃金構造基本統計調査の概況

3. 専門スキルが身につき、キャリアが途切れない

一般事務のスキルは汎用的であるがゆえに、専門性をアピールしにくい側面があります。しかし、建設事務で身につくスキルは非常に専門性が高く、強力な武器になります。

建設業経理」の知識、「CADソフト」の操作スキル、そして「安全書類(グリーンファイル)」の作成ノウハウなどは、建設業界共通の専門スキルです。

建設会社は日本全国、都市部から地方まであらゆる場所に存在します。

そのため、一度これらのスキルを身につけてしまえば、結婚や転勤、介護などで住む場所が変わったとしても、新しい土地ですぐに仕事を見つけることができます。

どこに行っても通用する専門性」を持つことは、不確実な時代において、自身のキャリアを守る確実な備えとなるはずです。

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建設事務と同様に注目される施工管理派遣という働き方。時給相場や年収の実態を知ることで、建設業界における自分の市場価値をより正確に把握できます。

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4.キャリアアップの武器になる!建設事務に有利な「資格」

キャリアアップの武器になる!建設事務に有利な「資格」

建設事務として長く活躍するために、ぜひ取得を目指したい資格をご紹介します。

キャリアのパスポート「建設業経理士(1級・2級)」

建設事務としてキャリアアップを目指すなら、絶対に取得しておきたいのが「建設業経理士(1級・2級)」です。

この資格が単なる検定試験と違うのは、企業の利益に直結する公的な価値を持っている点になります。

公共工事の入札ランクを決める「経営事項審査(経審)」において、1級・2級建設業経理士の有資格者数は、企業の評価点(W点)を加点させる項目になっています。

つまり、この資格を持っているだけで、資格保有者は「会社の実質的な評価を上げる(=入札を有利にする)人材」として評価されます。

そのため、多くの建設会社では毎月の資格手当を支給したり、昇給・昇格の必須条件にしたりと、取得者を優遇しています。

未経験からでも挑戦でき、取得すれば明確に待遇が良くなる、コストパフォーマンス抜群の資格です。

実務で重宝される「日商簿記」と「CAD関連資格」

建設業経理士」の勉強を始める前の基礎固めとして、「日商簿記」の学習も非常に有効です。

簿記の仕組みを理解していることは、経理事務だけでなく、営業事務や現場事務でのコスト管理にも役立ちます。

また、現場事務を目指すなら「CAD関連資格(CAD利用技術者試験など)」も強力な武器になります。

本来は設計者の仕事である図面の修正や微調整を、現場事務の担当者がすぐ対応できれば、現場監督の負担が少なくなります。

事務作業だけでなく「図面も触れる事務」としての付加価値は非常に高く、派遣社員から正社員への登用や、時給アップの交渉材料としても大いに役立つでしょう。

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建設業界でキャリアアップを狙うなら、資格の選び方が重要です。施工管理転職において年収アップに直結する資格をまとめた記事で、建設事務との相乗効果も確認してみましょう。

施工管理転職の資格選び決定版!人手不足で今がチャンス
施工管理転職で年収アップを実現する7つの資格を徹底解説。2024年制度改正で取得しやすくなった今がチャンス!
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■資格取得後のキャリアも、一緒に考えます

建設業経理士や簿記など、資格を取得したら次のステップは求人探しです。カラフルスタッフィング建設では、資格を活かせる建設・建築業界の求人を全国でご紹介。あなたのキャリアアップを全力でサポートします。

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5.建設事務に向いている人・向いていない人の特徴

建設事務に向いている人・向いていない人の特徴

最後に、自身が建設事務に向いているかどうかのチェックポイントをお伝えします。

向いている人

  • 人のサポートをすることにやりがいを感じる人
  • 変化のある環境を楽しめ、臨機応変に対応できる人
  • 几帳面で、数字や書類の正確な処理が得意な人
  • チームワークを大切にし、多様な人とコミュニケーションが取れる人

向いていないひと

  • 完全にマニュアル通りに、決まったルーチンワークだけをこなしたい人
  • 汚れる可能性がある場所(現場)に行くのが極端に苦手な人
  • 静かなオフィスで、誰とも話さずに黙々と作業したい人
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建設・施工管理職への適性が気になる方は、こちらもあわせてチェックしてみましょう。施工管理に向いていない人の特徴を知ることで、自身の強みを活かせる職種の絞り込みに役立ちます。

施工管理に向いてない人の特徴20選!適性診断と転職対策
施工管理に向いてない人の特徴20選!適性診断と転職対策
施工管理に向いてない人の特徴20選を解説。適性診断で自己分析が可能。代替職種や転職対策も紹介し、最適なキャリア選択をサポート。
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6.建設事務は「安定」と「スキル」を同時に手に入れられる賢い選択肢

建設事務は、「きつい」というイメージとは裏腹に、実は離職率が低く、待遇も安定している魅力的な職種です。

特に、未経験から事務職デビューを目指す方にとっては、一般事務の激しい競争を避け、専門性という武器を手に入れることができる「賢い選択肢」と言えるでしょう。

まずは、「現場の近くで働きたい」のか、「オフィスで数字を扱いたい」のかをイメージしながら、求人情報をチェックしてみることが推奨されます。

その一歩が、安定した未来への入り口になります。

■建設事務・施工管理の求人はカラフルスタッフィング建設へ

建設事務は「安定」と「専門スキル」を同時に手に入れられる、今まさに狙い目の職種です。カラフルスタッフィング建設では、日本全国の建設・建築業界に特化した求人をご紹介しています。未経験の方もベテランの方も、まずはお気軽にご相談ください。

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