二級建築士試験の最新(令和7年)の総合合格率は22.6%です。例年21%~25%の範囲で推移しており、およそ4~5人に1人が合格する難易度です。
しかし、この数字だけを見て「難易度は中程度」と判断するのは早計です。試験は「学科試験」と「設計製図試験」の2段階で行われます。
それぞれの合格率や、不合格になりやすい理由をしっかり理解することが大切です。
この記事では、最新データと過去5年の推移、他の資格との比較をもとに、二級建築士の本当の難易度と合格するためのポイントをわかりやすく解説します。
- 二級建築士試験の合格率の実態
- 二段階選抜の仕組みと不合格の理由
- 他資格との比較で見える本当の難易度
1.【最新】二級建築士試験 合格率の全体像

最新の二級建築士試験について、試験実施機関である建築技術教育普及センター(JAEIC)から公表された令和7年度の試験結果は以下の通りです。
| 試験区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 学科試験 | 16,383人 | 6,698人 | 40.9% |
| 設計製図試験 | 10,006人 | 4,645人 | 46.4% |
| 総 合 | 20,597人 | 4,645人 | 22.6% |
注:総合合格率は、当該年度の受験者総数(学科試験の申込者数とは異なる)に対する最終合格者の割合
ここで重要なのは、「総合合格率(22.6%)」は、「学科試験」と「設計製図試験」の両方に合格した割合であるという点です。
学科試験の合格率は約41%、設計製図試験の合格率は約46%です。それぞれを見ると、決して低すぎる数字ではありません。
しかし、二級建築士試験では、この2つの試験を連続して突破する必要があります。
そのため、最終的な総合合格率は約22%前後に落ち着くのです。
参考|
建築技術教育普及センター:試験結果
総合資格学院:令和7年度 二級建築士 学科試験 合格発表
2.二級建築士 合格率の推移(過去5年)
次に、過去5年間の合格率の推移を見て、難易度の傾向を分析します。
| 年度 | 学科試験 合格率 | 製図試験 合格率 | 総合合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和3年 (2021年) | 41.9% | 48.6% | 23.6% |
| 令和4年 (2022年) | 42.8% | 52.5% | 25.0% |
| 令和5年 (2023年) | 35.0% | 49.9% | 22.3% |
| 令和6年 (2024年) | 39.1% | 47.0% | 21.8% |
| 令和7年 (2025年) | 40.9% | 46.4% | 22.6% |
注:総合合格率は、その年の学科試験の受験者数に対する設計製図試験合格者の割合の目安です。詳細な実受験者数や合格者数については、建築技術教育普及センター(JAEEA)の公式発表をご参照ください。
- 総合合格率:おおむね21%~25%の範囲で安定して推移しています。
- 学科試験:年によって変動はありますが、35%~42%程度で推移しています。
- 設計製図試験:46%~52%程度で推移しており、学科試験の合格者(実力者)が集まる中で、さらに約半数が不合格となる厳しい試験であることがわかります。
3.二級建築士の難易度を「2つの関門」から分析

二級建築士の難易度を正しく理解するには、単に合格率という「結果」だけを見るのは不十分です。試験の「構造」を知る必要があります。
この試験は、性質の異なる2つの関門で構成されています。
それぞれの関門を理解することで、合格への具体的な対策が見えてきます。
第一の関門:知識を問う「学科試験」(合格率:約40%)
学科試験は、マークシート方式の知識テストです。
試験は以下の4科目で構成されており、全体の合格点と各科目の足切り点の両方をクリアする必要があります。

全体の合格点をクリアしていても、どれか1科目でも足切り点を下回ると、その時点で不合格となります。
全体の合格基準は例年100点満点中60点ですが、それとは別に各科目(4科目)にも足切り点(多くの場合13点以上)が設定されています。
建築士として必要な知識を幅広く、偏りなく身につけているかが問われる試験です。
参考|建築技術教育普及センター:令和6年二級建築士試験「学科の試験」の合格基準点等について
第二の関門:スキルを試す「設計製図試験」(合格率:約50%)
学科試験に合格した人だけが、この設計製図試験に進めます。
この試験では、出題された課題(例:「〇〇のある専用住宅」など)に基づき、5時間という制限時間内に要求された図面(平面図、立面図、断面図など)を手描きで完成させるスキルが試されます。
合格率が約50%と聞くと簡単に感じるかもしれません。
しかしこれは、学科試験を突破した実力者の中での割合です。
知識があることは前提で、さらに「図面を正しく読み取り、要求通りに描き上げる」という実践的なスキルが必要です。

このスキルがなければ、残りの半分には入れない厳しい試験です。
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二級建築士資格の取得メリットや転職市場での価値、キャリアパスについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
4.合格率だけでは分からない「不合格の理由」とは?

とくに注目すべきは、第二の関門である「設計製図試験」の不合格理由です。
この試験の採点は、単に図面の上手い下手で決まるのではありません。
課題の要求をどれだけ満たしているかによって、「ランクI~IV」に区分されます。
ランクIは合格、ランクII~IVは不合格となります。
なかでも深刻なのは、「ランクIV(設計条件・要求の重大な不適合)」で不合格になるケースです。
不合格になるケース:ランクIV(設計条件・要求の重大な不適合)
課題の要求を根本的に読み違えている
守るべき法規や寸法を間違えている
これは、「図面のクオリティが低い」以前の問題として、建築士としての基本的な注意力や読解力の不足によるミスを指します。
令和6年度試験では、この「ランクIV」で不合格となった受験者は11.1%にのぼりました。
設計製図試験受験者の10人に1人が、作図スキル以前の「課題の読解」で失敗していることを表しています。
二級建築士試験は、知識や作図スキルだけでなく、設計者としての「基本的な素養」を厳しく問う試験であることの表れです。
参考|建築技術教育普及センター:令和6年二級建築士試験「設計製図の試験」の合否判定基準等について
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二級建築士と同様に建築業界で重要な施工管理技士補資格について、その概要やメリット、取得方法を詳しく解説しています。
5.他の資格と難易度を比較(一級建築士・宅建士)
二級建築士の難易度を、他の関連資格と比較してみましょう。
| 資格名 | 合格率(総合) | 必要な勉強時間(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 二級建築士 | 約21~25% | 500~700時間 | 知識+スキル(学科+製図) |
| 木造建築士 | 約35~40% | 300~400時間 | 知識+スキル(学科+製図) |
| 宅建士 | 約17~18% | 200~300時間 | 知識型(マークシート) |
| 一級建築士 | 約9~10% | 1,000~1,500時間 | 二級の上位資格。すべてがハイレベル |
ここで注目したいのは、合格率が近い「宅建士」との比較です。
宅建士の合格率は約17%と、数字だけを見ると二級建築士(約21%)より低く見えます。
しかし実際に必要な勉強時間は、二級建築士のほうが2倍以上(約500~700時間)必要とされています。
この差の理由は、「設計製図」という実技スキルの習得コストです。
宅建士は知識のインプットとアウトプット(筆記)で完結するのに対し、二級建築士は、知識の習得に加えて、図面を描く練習に多くの時間を費やす必要があるのです。
宅建士
二級建築士
また、キャリアの観点でも違いがあります。
宅建士が「不動産取引の専門家」であるのに対し、二級建築士は「一定規模以下の建築物の設計・工事監理ができる専門家」です。
そのため、職務の責任が重く、求められるスキルの習得にも時間がかかるといえます。
参考|スタディング:二級建築士の難易度と合格率は?合格するための勉強内容も紹介
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6.どんな人が合格している? データで見る合格者像
二級建築士試験の合格者データを見ると、以下のような傾向があります。
年齢層
20代の若年層の合格者が最も多い傾向にあります。
学歴・属性
建築系の大学や専門学校の学生が、在学中または卒業直後に受験するケースが多く見られます。
近年のデータによれば、合格者の約73.6%が20代で、そのうち約60.5%は24歳以下です。
また、合格者全体の約25.4%が在学中の学生であり、学校で学んだ知識や製図スキルが試験に直結しやすいためと考えられます。
一方で、実務経験を積みながら社会人として合格を目指す場合は、学習時間の確保が大きな課題となります。
しかし、仕事で得た知識や現場での経験が、試験の理解に役立つ側面も多くあります。

学生と社会人では学習環境に違いがありますが、どちらもそれぞれの強みがあるといえます。
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7.二級建築士の「合格率」に関するよくある質問(FAQ)

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結局、二級建築士は「難しい」のですか?
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はい、難易度の高い資格です。
合格率が約22%(最新:22.6%)である点に加え、①知識を問う「学科試験」と、②実技を問う「設計製図試験」という、性質の異なる2つの試験を突破する必要があります。
とくに設計製図は、実技スキルの習得に多くの時間がかかる点が特徴です。
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学科試験と設計製図試験は、どちらが大変ですか?
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どちらも大変ですが、多くの方が苦労するのは「設計製図試験」です。
学科試験で得た知識を前提に、図面を描き上げるためのスキルをゼロから身につける必要があり、学習時間が長くなりやすい傾向があります。
-
合格率は年々難しくなっていますか?
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過去5年の推移を見る限り、合格率は21%~25%の範囲で安定しています。
そのため、難易度が急激に変動しているわけではありません。
ただし、設計製図試験の課題テーマは毎年変わるため、その年ごとの対策が必須です。
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8.合格率22%の真実:二級建築士は「知識」と「実技」の両輪が不可欠
二級建築士試験の総合合格率は、例年およそ21%~25%で推移しています。
一見するとこの数字だけで難易度を判断しがちですが、実際には「2つの異なる試験構造」が大きなポイントです。
この資格は、知識を問う「学科試験」と、スキルを試す「設計製図試験」という、2つの関門で構成されています。
中でも設計製図試験は、学科を突破した受験者の中で約半数が不合格になるほど厳しい内容です。
合格を目指すには、学科で基礎知識をしっかり固めたうえで、設計製図の練習に十分な時間を確保すること、知識と実技の両輪で計画的に対策を進めることが不可欠です。