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建築士と設計士の違い5選|仕事内容・年収・資格の違いを解説

家づくりやキャリアを考える際、「建築士」と「設計士」という言葉を耳にしますが、その違いは何でしょうか。

似ているようで、この2つには法律に基づいた決定的な違いがあります。

その違いは、仕事の範囲や責任、そしてキャリアパスにも影響を及ぼすでしょう。

この記事では、建築士と設計士の具体的な違い、それぞれの仕事内容について解説します。

この記事を読んでわかること
  • 建築士と設計士の違い
  • 資格による扱える建物の違い
  • 設計士として実務経験を積み、建築士を目指すためのキャリアパス

1.はじめに:建築士と設計士、最大の違いは「国家資格」の有無

建築士と設計士の違い

名称は似ていますが、資格要件が異なります

🏗️

建築士

★ 国家資格あり
  • 定義 法律に基づき、国や都道府県から免許を受けた有資格者
  • できること 一定規模以上の建物の設計・工事監理(独占業務)
📐

設計士

● 通称(資格不要)
  • 定義 設計業務に従事する人の一般的な呼び方(法的な資格ではない)
  • できること 建築士の補助業務や、資格が不要な小規模な設計など

建築士と設計士の最も大きな違い、それは「建築士法」に基づく国家資格を持っているかどうかです。

・建築士:国家試験に合格し、国土交通大臣または都道府県知事の免許を受けた人だけが名乗れる「資格の名称」

・設計士:建築士の資格を持っていなくても、設計業務に携わる人が一般的に使用する「職能上の呼称」

つまり、建築士は法律で認められた専門家である一方、設計士は「設計業務を担当する人」という広い意味合いで使われます。

この法的な裏付けの有無が、仕事内容や責任の重さに直結しています。

参考|e-Gov法令検索:建築士法 第4条

2.建築士と設計士の具体的な違い5選

両者の違いをより具体的に理解するために、一覧表で比較してみましょう。

項目建築士設計士
資格国家資格(必須)
(一級・二級・木造)
特になし
仕事内容・設計(独占業務)
・工事監理(独占業務)
・デザイン、各種申請業務
・設計補助
・建築士の資格が不要な範囲の設計
・CADオペレーター業務など
年収目安一級建築士の平均年収は約700万円
(特に一級建築士)
(厚生労働省の統計による)
平均年収は約350万円~500万円
法的責任あり(重い)
(建築士法に基づき、建物の安全性に責任を負う)
なし
(法律上の責任は負わない。最終責任は建築士が負う)
設計できる建物資格の種類(一級・二級等)により、規模や構造に制限あり法律で「建築士」でなくても設計できると定められた、ごく小規模な建物のみ

このように、国家資格である「建築士」は、法律によって守られた「独占業務」と、それに見合う「重い責任」を負っていることがわかります。

参考|
厚生労働省:賃金構造基本統計調査厚生労働省:令和3年賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算)厚生労働省:職種、勤続年数・経験年数別所定内給与額(一般労働者)

3.「建築士」とは? 法律で定められた専門職

「建築士」とは? 法律で定められた専門職

建築士は、建築士法に基づき、建物の設計および工事監理を行う専門家です。

ここでは、建築士の仕事内容や責任、資格の種類について解説します。

仕事内容:建物の「設計」と「工事監理」という独占業務

建築士の仕事は多岐にわたりますが、特に重要なのが法律で建築士にしか許可されていない「独占業務」です。

設計

建物の安全性、機能性、デザイン性を考慮し、建築基準法などの法律に適合した設計図書(意匠図、構造図、設備図など)を作成

工事監理

  • 工事が設計図書の通りに正しく行われているか、専門家の立場でチェック(監理)
  • 手抜き工事やミスがないかを確認し、建物の品質と安全性を確保

責任:法律(建築士法)に基づき、建物の安全に責任を負う

建築士は、自らが設計・監理した建物の安全性に対して、法的な責任を負います

万が一、設計ミスによって建物に重大な問題が発生した場合、建築士法に基づく罰則や損害賠償責任を問われる可能性があります。

資格の種類:「一級」「二級」「木造」で扱える規模が違う

建築士資格は、扱える建物の規模や構造によって3種類に分かれています。

一級建築士

  • 最も上位の資格。扱える建物の規模や用途に制限がない
  • 高層ビル、大規模な商業施設、病院、学校など、あらゆる建物の設計・工事監理が可能。

二級建築士

  • 主に戸建て住宅規模の設計・工事監理を行う。
  • 一定の高さや延べ面積を超える建物(例:鉄筋コンクリート造で高さ13m超など)は扱えない。

木造建築士

  • 木造建築物に特化した資格。
  • 延べ面積300平方メートル以内かつ2階建て以下の木造建築物のみを扱える。
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4.「設計士」とは? 設計業務を担う職能・呼称

一方、「設計士」は、建築士のような法律で定められた資格ではありません。

仕事内容:建築士のサポートや、法律で許可された範囲の設計

設計士の主な仕事は、建築士の指示のもとで設計業務を補助することです。

  • CAD(設計ソフト)を使って図面を作成する
  • 設計資料をまとめる
  • 建築士の設計のサポートを行う など

建築士の資格がなくても、建築士法で定められた「ごく小規模な木造建築物(延べ面積100平方メートル以内など)」であれば、設計士が設計することも可能です。

しかし、実務上は建築士の資格を持つ人が設計・監理を行うのが一般的になります。

参考|
e-Gov法令検索:建築士法 第1条
e-Gov法令検索:建築士法 第3条

資格:設計士という国家資格はない

繰り返しになりますが、「設計士」という名称の国家資格は存在しません

建築事務所やハウスメーカーなどで設計業務に携わっている人が、職務上の呼び名として「設計士」と名乗っているケースがほとんどです。

5.「建築家」とは何者? 2つとの違いは?

「建築家」とは何者? 2つとの違いは?

建築士や設計士と並んで、「建築家(けんちくか)」という言葉もよく使われます。

主にデザイン性を重視する建築士が名乗る「呼称」

「建築家」もまた、法律で定められた資格ではありません。「設計士」と同じく「呼称」の一つです。

一般的には、建築士の資格を持つ人の中でも、特に建物のデザイン性や芸術性、作家性を重視して設計活動を行う人が「建築家」と呼ばれています。

建築家の仕事は、本来国民の財産と命を守り、美しく快適な環境を設計することによって、いきいきした生活や社会活動を可能とする仕事です。

有名な建築家は、多くの場合「一級建築士」の資格を保有しています。

参考|公益社団法人 日本建築家協会:私たちの取り組み

3つの違いを整理

ここまでの違いを整理すると、以下のようになります。

名称 資格の有無・種類 特徴・定義
建築士 国家資格 法律で認められた設計・監理の専門家
建築家 呼称(資格ではない) 主に「建築士」の中で、デザイン性や作家性を追求する人が名乗る
設計士 呼称(資格ではない) 設計業務に携わる人の総称。建築士資格の有無は問わない

つまり、「建築士」という国家資格を土台として、デザイン性を重視する人が「建築家」、設計業務全般に携わる人が「設計士」と呼ばれている、とイメージすると分かりやすいでしょう。

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6.キャリアの視点:どう目指す?「設計士」から「建築士」への道

どう目指す?「設計士」から「建築士」への道

建設業界で設計のキャリアを築きたい場合、最終的な目標として「建築士」の資格取得が目標となります。

キャリアパス:「設計士」として「実務経験」を積むことが重要

最も現実的なキャリアパスは、まず設計士、設計アシスタント、あるいはCADオペレーターとして設計事務所や建設会社に入社することです。

建築士の国家試験を受験するには、学歴に応じた「実務経験」が必要となります。

まずは資格がなくても働ける「設計士」としてキャリアをスタートし、建築士のサポート業務を通じて実践的なスキルと法律で定められた実務経験を積むことが、建築士への一般的なキャリアパスです。

建築士になるためのステップ(実務経験→資格取得)

建築士(特に二級・一級)になるための一般的なステップは以下の通りです。

1. 学歴要件を満たす
大学、短大、専門学校などで、国土交通大臣が指定する建築に関する学科・科目を修めて卒業します。
(※指定学科以外でも受験可能なルートはあります)
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2. 実務経験を積む
設計事務所や建設会社などで、設計・工事監理などの実務経験を積みます。(必要な年数は学歴により異なります
3. 国家試験に合格する
実務経験を経て受験資格を得たら、「学科」「設計製図」の試験に合格する必要があります。
4. 免許登録
試験合格後、免許登録を行うことで、晴れて「建築士」として活動できます。

「設計士」として働きながら実務経験を積み、資格学校などを利用して難関である建築士試験の合格を目指すのが、多くの人が通るキャリアパスです。

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7.【依頼者の視点】家づくりはどちらに頼むべき?

家づくりはどちらに頼むべき?

これから家づくりやリフォームを依頼しようと考える方にとっても、この違いは重要です。

建物の規模によって「建築士」が必須なケース

一定規模以上の建物の設計・工事監理は、法律で「建築士」にしか許可されていません

例えば、一般的な2階建ての木造住宅であっても、延べ面積が100平方メートルを超える場合は「二級建築士」以上の資格が原則として必要になります。

依頼先が「設計士」と名乗っていても、その事務所内に必ず資格を持った「建築士」が在籍し、法的な責任者として設計・監理を行っているはずです。

資格を持つ建築士に依頼するメリット(法的な安心感)

依頼する相手が「建築士」の資格を持っていることを確認する最大のメリットは、法的な安心感です。

建築士は、建築基準法などの専門知識を持ち、建物の安全性に法的な責任を負っています。

大切な住まいを任せる上で、法律に基づいた専門家である「建築士」に依頼することは、品質と安全を確保する上で品質と安全を確保する上で重要です。

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8.「建築士」と「設計士」の違いは国家資格の有無

「建築士」と「設計士」。似ているようで全く異なるこの2つの決定的な違いは、「建築士法」に基づく国家資格を持っているかどうかです。

建築士(国家資格者): 法律により「設計」や「工事監理」などの独占業務が認められており、建物の品質や安全に対して法的な重責を負います。

設計士(呼称): あくまで設計業務に携わる人の通称です。資格を持たずに建築士の補助を行うケースも含みます。

建設業界でのキャリアにおいては、「設計士」としての経験を経て「建築士」を目指すのが一般的です。

また、発注者にとっては、「建築士」への依頼こそが、建物の品質と法的な安全性を担保する確実な選択となります。

この違いを正しく理解することが、建設業界でのキャリア選択や、大切な家づくりを任せるパートナー選びの第一歩となります。

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