施工管理は「きつい」という印象を持つ方も多いかと思います。
実は施工管理の「きつい」印象は、2024年問題による法規制で大きく変化しています。
本記事では、休日や残業、公的データなど客観的な指標に基づき、施工管理のホワイト企業を見極める7つの特徴と、未経験からでも転職を成功させるコツを解説します。
- 施工管理が「きつい」と言われる背景と、「2024年問題」がもたらした業界の変化について
- 客観的なデータや指標(休日、残業、経営事項審査など)に基づくホワイト企業の特徴7つについて
- 未経験からでも施工管理のホワイト企業への転職を成功させるための具体的なコツについて
1.施工管理は「ブラック」? 建設業界の働き方が変わり始めた理由

「施工管理=ブラック」は、もはや過去の話になりつつあります。その理由を解説します。
「きつい」イメージの背景と「2024年問題」による変革
建設業界、特に施工管理の仕事には、長時間労働や休日出勤といった「きつい」イメージが根強くあります。これは、工期という絶対的な納期を守るため、また、人手不足が慢性化していたためです。
しかし、この状況は今、法的な強制力をもって大きく変わろうとしています。それが「2024年問題」です。
2024年4月1日から、建設業にも「時間外労働の上限規制(原則月45時間・年360時間以内)」が罰則付きで適用されました。
これにより、企業はもはや長時間労働に依存した経営ができなくなり、業務効率化や週休2日制の導入を真剣に進める必要に迫られています。
かつての「3K(きつい、汚い、危険)」から、「新3K(給料、休暇、希望)」へ。このスローガンが、ようやく法的な裏付けを得て現実のものとなりつつあるのです。
データで見る業界の実態(平均残業時間・休日)
とはいえ、業界全体の改善はまだ道半ばです。客観的なデータを見てみましょう。
国土交通省の調査(令和4年度)によれば、建設工事の技術者(施工管理など)のうち、13%が月平均45時間を超える残業を行っているという実態があります。
また、全国建設業協会の調査(令和6年度)では、現場で「おおむね4週8休」を実施できている企業は4割程度にとどまるという結果も出ています 。
これらのデータが示すのは、「ホワイト企業」とそうでない企業の二極化が進んでいる可能性です。だからこそ、転職活動においては、企業の労働環境を客観的な指標で見極める「目」を持つことが重要になります。
参考|国土交通省:「適正な工期設定等による働き方改革の推進に関する調査(令和4年度)」の結果 、一般社団法人 全国建設業協会:令和6年度「労働環境の整備に関するアンケート」調査結果
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施工管理が「きつい」と言われる背景には、業界特有の構造的な問題があります。具体的な理由と、現役で働く人が実践する対処法をあわせて確認しましょう。
2.「施工管理のホワイト企業」とは? 7つの客観的な定義と特徴
優良企業を見極める7つの特徴
特徴1:休日
特徴2:残業時間
特徴3:給与・手当
特徴4:育成体制
特徴5:客観的指標
特徴6:経営の安定性
特徴7:IT・新技術の導入
では、どうすれば「ホワイト企業」を見極められるのでしょうか。求人票や企業情報で確認すべき、7つの客観的な特徴を解説します。
特徴1:休日(「4週8休」の達成度と年間休日120日以上)
建設業界では、国土交通省が「週休2日制」を強力に推進しています。

求人票でまず確認すべきは「年間休日数」です。「年間休日120日以上」であれば、土日祝日がほぼカレンダー通りに休める水準と考えられます。
また、「完全週休2日制」と「週休2日制」の違いにも注意が必要です。
「完全」は毎週2日休みですが、「週休2日制」は「月に1回以上、週2日の休みがある」という意味の場合があります。
特徴2:残業時間(「36協定」と固定残業代の確認)
労働基準法によって時間外労働は原則「月45時間・年360時間」が上限となりました。
注意したいのが「固定残業代(みなし残業代)」です。これが月45時間に近い時間で設定されている場合、恒常的にその水準の残業が発生している可能性があります。
固定残業代が含まれている場合は、その「時間数」と「超過分の支給有無」を必ず確認しましょう。
特徴3:給与・手当(「資格手当」や福利厚生の充実)
施工管理の給与体系は、経験年数だけでなく「資格の有無」に大きく左右されます。
特に「1級施工管理技士」などの国家資格は、大規模な工事を担当するために法律上必須であり、取得することで給与や役職に直結します。
そのため、ホワイト企業かどうかを見極めるポイントとして「資格手当」の充実度が挙げられます。
毎月の給与に上乗せされる資格手当や、資格取得時のお祝い金(報奨金)が手厚い企業は、それだけ社員の専門性(スキル)を正当に評価し、投資する文化がある証拠です。
また、住宅手当や家族手当といった法定外の福利厚生が充実しているかも、社員の生活を長期的に支える姿勢があるかを見極める重要な指標となります。
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施工管理の平均年収や資格による収入差を詳しく知りたい方は、地域別・年代別のデータをまとめた以下の記事もご覧ください。
特徴4:育成体制(未経験者向けの研修・資格取得支援制度)
建設業界は今、深刻な人手不足と高齢化を背景に、未経験者の採用と育成に力を入れています。
実際、施工管理の未経験者向け求人数は近年で16倍以上に急増しているという調査結果もあります。
こうした状況下で優良企業を見極めるには、「教育・研修制度」と「資格取得支援制度」 の充実度を確認することが不可欠です。
まず、入社後にどのような研修(OJT、座学、外部講習など)が用意されているか確認しましょう。
また、キャリアアップに必須の「施工管理技士」などの資格取得に対し、受験費用や講習費用の負担、資格手当の支給といった具体的な支援があるかは、企業が未経験者を育てる意志があるかを示すバロメーターの一つです。
参考|株式会社リクルート:建設業界に迫る「2024 年問題」
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特徴5:客観的指標(離職率・平均勤続年数)
社員が長く働き続けているという事実は、その企業が働きやすい環境であることの客観的な証拠です。
求人票や企業の採用サイトで「平均勤続年数」や「離職率」が公開されているかを確認しましょう。特に「離職率」は、業界平均と比較することが有効です。
例えば、新規大卒者の3年以内離職率は、建設業の平均が約30%です。
もし応募先企業が、具体的な離職率や、業界平均を大きく上回る平均勤続年数を公開していれば、それは社員を大切にし、長期的なキャリア形成を支援する優良企業である可能性が非常に高いと判断できます。
特徴6:経営の安定性(「経営事項審査」の活用)
企業の経営安定性も重要です。建設会社が公共工事を受注する際には、「経営事項審査(経審)」という通知表のような評価を受けます。
この評価項目の一つに、含まれているのが技術者の数です。「1級施工管理技士」などの有資格者が多く在籍する企業は、この評点が高くなります。
つまり、「有資格者が多く、定着している企業」は、経営的にも安定している健全な企業である可能性が高いです。
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ゼネコンの規模別・年収ランキングや各社の経営状況を比較したい方は、以下の記事で詳しく解説しています。優良企業探しにお役立てください。
特徴7:IT・新技術の導入(i-Constructionなど)
建設業界は今、i-Construction(アイ・コンストラクション)と呼ばれる技術革新の真っ只中にあります。
これは、ドローンによる測量、AIを活用した工程管理、BIM/CIM(3次元モデル)による設計・施工管理など、最先端のICT技術を導入して建設現場の生産性を抜本的に向上させようという取り組みです。
こうした新技術の導入に積極的な企業は、従来の「体力勝負」「長時間労働ありき」といった旧来の働き方から脱却し、業務の効率化と労働時間の短縮を本気で目指している証拠です。
体力に自信がないと感じる人でも、こうした技術・知識集約型の企業であれば、計画性やPCスキルといった別の強みを活かして活躍できる可能性が広がっています。
3.【カテゴリ別】施工管理のホワイト企業の見つけ方と働き方の違い
【カテゴリ別】施工管理のホワイト企業
1. スーパーゼネコン編 (安定性と大規模案件)
2. 中堅・専門ゼネコン編
(専門性と
ワークライフバランス)
3. 穴場・異業種編
(発注者側・
プラントなど)
「ホワイト企業」と一口に言っても、その働き方は企業の規模や専門分野によって異なります。
1. スーパーゼネコン(大手)編:安定性と大規模案件
スーパーゼネコンと呼ばれる大手企業群(大林組、鹿島建設、清水建設、大成建設、竹中工務店など)は、社会的な注目度が高く、法令遵守(コンプライアンス)の意識が非常に高い傾向にあります。
給与水準や福利厚生、未経験者向けの研修制度も業界トップクラスに充実していることが多く、「2024年問題」への対応としての働き方改革も先進的に進めているケースが目立ちます。
空港、ダム、超高層ビルといった社会インフラやランドマークとなる大規模プロジェクトに携われることは、施工管理として大きなやりがいとキャリアにつながるでしょう。
ただし、全国・海外転勤の可能性や、プロジェクトの規模ゆえの高い責任が伴うことも特徴です。
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2. 中堅・専門ゼネコン編(専門性とワークライフバランス)
大手以外にも、独自の強みを持つ中堅ゼネコンや、特定の分野(例:道路、内装、設備、プラント)に特化した専門ゼネコンにも、ホワイト企業は数多く存在します。
これらの企業は、大手ほどの頻繁な全国転勤がなく、特定の地域に密着して長期的なキャリアを築きやすいというメリットがあります。
また、現場の規模が比較的小規模で管理しやすい場合もあり、その結果としてワークライフバランスを取りやすい職場環境が実現されているケースも少なくありません。
自分の興味のある分野(例えば、建物の内装や空調設備)が明確であれば、その分野で高い技術力を持つ専門ゼネコンは、非常に有力な選択肢となります。
3. 穴場・異業種編(発注者側・プラントなど)
施工管理のキャリアは、建設会社(受注側)だけではありません。
官公庁、デベロッパー、鉄道会社、メーカー(工場の施設管理)など、「発注者側」の立場で建設プロジェクトを管理する職種も、実は「穴場」のホワイトな働き方として注目されます。
これらの仕事は、自社の施設や不動産プロジェクトの品質・コスト・工程を管理するのが主な役割であり、自ら現場で直接施工を行うわけではありません。
そのため、工期や予算の管理がメインとなり、受注側の施工管理と比較して、労働時間や休日が安定している傾向が強いです。
施工管理としての専門知識や資格を活かしつつ、より安定した環境で働きたい場合に有力なキャリアチェンジの選択肢となります。
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施工管理の転職先をさらに広い視点で検討したい方へ。おすすめ業種15選と企業選びのポイントを徹底解説した記事もあわせてご覧ください。
4.未経験からでも可能? ホワイト企業への転職を成功させる4つのコツ
未経験からホワイト企業に転職する4つのコツ
コツ1
キャリアの棚卸しと
ポータブルスキル
コツ2 キャリアパスの理解
コツ3
資格取得への意欲を
具体的にアピール
コツ4
転職エージェントや
口コミサイトの活用法
建設業界は未経験者に広く門戸を開いています。しかし、ホワイト企業への転職を成功させるには、いくつかのコツが必要です。
コツ1:キャリアの棚卸しと「ポータブルスキル」の整理
未経験から施工管理を目指す際、「自分にはアピールできる強みがない」と感じてしまうかもしれません。
しかし、どんな仕事にも業種や職種を超えて通用する「ポータブルスキル(持ち運び可能なスキル)」があります。
まずは「キャリアの棚卸し」を行い、前職の経験を施工管理の仕事に「翻訳」することが重要です。
- 飲食業:多様なスタッフと連携した「チームワーク」や、予期せぬトラブルに対応した「状況対応能力」としてアピールできます。
- 営業職や販売職:培った「対人折衝能力」や「計画立案力」は、多くの関係者と調整を行う施工管理の仕事に不可欠なスキルです。
- 事務職:「正確性」や「スケジュール管理能力」も、安全や品質に関わる書類作成、工程管理で直接活かすことができます。
コツ2:「施工管理アシスタント」から始めるキャリアパスの理解
未経験者が施工管理のプロフェッショナルになるための王道ルートが、「施工管理アシスタント」からキャリアを始めることです。
入社後はまず、先輩の施工管理者の下で、現場の写真撮影や安全書類の整理、簡単な管理業務の補助などを通じて、仕事の全体像を学びます。
この「見習い」や「補助」の期間は、単なる下積みではありません。建設業界のキャリア形成において最も重要な、「実務経験」を積むための期間です。
なぜなら、「2級施工管理技士」や「1級施工管理技士」といったキャリアアップに不可欠な国家資格は、その受験資格として必ず一定期間の「実務経験」が法律で定められているからです。
■実務経験を積みながら正社員を目指したい方へ
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コツ3:資格取得への意欲を具体的にアピールする
未経験者の採用面接において、企業が最も重視する点の一つが「学習意欲」と「定着の可能性」です。
施工管理のキャリアは、「実務経験」と「資格取得」の両輪で築かれます。
そのため、面接では「なぜ施工管理の仕事がしたいのか」という志望動機に加え、「入社後に実務経験を積み、一日も早く専門知識を学んで『施工管理技士』の資格を取得したい」という具体的な意欲をアピールすることが極めて重要です。
資格取得は、個人のキャリアアップであると同時に、企業の競争力向上(経営事項審査の加点)にも直結します。
そのため、「資格取得支援制度」を設けている優良企業ほど、こうした前向きな意欲を高く評価してくれる傾向にあります。
コツ4:転職エージェントや口コミサイトの活用法と注意点
求人票だけでは見えてこない、企業の「本当の」労働環境を知るために、転職エージェントや口コミサイトの活用も有効な手段です。
特に建設業界に特化した転職エージェントは、一般には公開されていない求人情報や、企業ごとの詳細な休日取得の実態、平均残業時間、現場の雰囲気、社風といった「生の情報」を把握している場合があります。
また、キャリアの棚卸しやポータブルスキルの整理といった自己分析も、専門のコンサルタントと一緒に行うことで客観性が増し、面接対策にもつながります。
ただし、口コミサイトの情報はあくまで個人の主観に基づくものであるため、鵜呑みにせず、複数の情報源の一つとして客観的に判断することが大切です。
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建設業界に特化した転職エージェントの選び方や活用術を詳しく知りたい方は、おすすめ12選を比較した以下の記事も参考にしてください。
5.施工管理は働きやすい職に変わりつつある
建設業界は、「2024年問題」という大きな転換点を迎え、確実に「働きやすい」産業へと変わりつつあります。
大切なのは、イメージに惑わされず、「休日日数」「残業時間」「資格支援」「経営事項審査」といった客観的なデータや制度に基づいて、優良な企業を見極める視点を持つことです。
未経験からでも、ポータブルスキルをアピールし、入社後に「実務経験」と「資格取得」という明確なキャリアパスを描くことで、安定した未来を築くことが可能です。
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