建設業はブラック? 2024年規制後の実態と優良企業の見分け方の画像

建設業はブラック? 2024年規制後の実態と優良企業の見分け方

建設業界への転職を考えたとき、「きつい、汚い、危険」といった「3K」のイメージや、「ブラックなのでは?」という不安を感じる方は少なくないでしょう。

特に2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用されたことで、「実際のところ、労働環境は改善されているのか?」という疑問は、キャリアを選択する上で重要です。

本記事では、建設業が「ブラック」と呼ばれてきた背景から、最新の法規制、労働時間や離職率に関する客観的なデータ、そして国や業界の具体的な取り組みまでを掘り下げます。

この記事を読んでわかること
  • 建設業が「ブラック」と呼ばれてきた具体的な理由
  • 2024年4月から施行された「時間外労働の上限規制」の正確な内容
  • 労働時間や「離職率のパラドックス」など、データに基づいた業界の実態

1.建設業が「ブラック」と呼ばれてきた6つの理由

建設業が「ブラック」と呼ばれる6つの理由
業界の構造的課題を視覚的に解説
長時間労働の
常態化
休日の少なさ
(週休1日など)
3Kのイメージ
(きつい・汚い・危険)
複雑な
給与体系
旧態依然とした
人間関係
現場作業後の
書類作成

まず、なぜ建設業界が「ブラック」というイメージを持たれやすかったのか、その背景にある伝統的な課題を整理します。

1. 長時間労働の常態化

工事には工期という絶対的な納期が存在します。

天候不順や予期せぬトラブルによる工期遅れを取り戻すために、長時間労働が発生しやすい構造がありました。

2. 休日の少なさ(週休1日など)

現場作業では、工期に間に合わせるために土曜日も稼働することがあり、週休2日制の導入が他産業に比べて遅れていました。

3. 3K(きつい・汚い・危険)のイメージ

屋外での肉体労働や高所作業、土埃など、物理的な負担が大きい作業環境が「きつい」「汚い」といったイメージに直結していました。

また、他の産業に比べて労働災害のリスクも伴うため「危険」とされてきました。

4. 複雑な給与体系

天候によって作業が中止になると給与が発生しない「日給制」も多く、収入が不安定になりがちな点も課題とされていました。

5. 旧態依然とした人間関係

職人気質の世界であり、指導方法が厳しかったり、上下関係が明確であったりする職場環境が、現代の価値観と合わないと感じられることもありました。

6. 現場作業後の書類作成

施工管理などの技術職においては、日中の現場管理業務が終わった後、事務所に戻ってから膨大な量の書類作成を行う必要があり、結果として拘束時間が長くなる一因となっていました。

▼あわせて読みたい

施工管理の「きつい」理由とその具体的な対処法を詳しく解説。業務量の多さや人間関係の課題など、現場のリアルと乗り越え方を紹介します。

施工管理がきつい6つの理由と乗り越える対処法
施工管理がきつい6つの理由と乗り越える対処法
施工管理がきつい理由と効果的な対処法について解説。業務量の膨大さ、人間関係の複雑さなど6つの要因と、業務効率など乗り越える方法を紹介
https://kensetsu.colorful-career.jp/media/contents/why-construction-management-is-difficult/

2.【2024年4月施行】建設業の「時間外労働の上限規制」で何が変わったか

【2024年4月施行】建設業の「時間外労働の上限規制」

時間外労働は 年720時間 以内

休日労働との合計 月100時間 未満

複数月平均 月80時間 以内

月45時間超は 年6ヶ月 が限度

こうした状況を根本から変えるため、2024年4月1日、建設業にも「働き方改革関連法」に基づく時間外労働の上限規制が、罰則付きで適用開始されました 。

これは業界にとって歴史的な転換点であり、その内容を正確に理解することが重要です。

労働基準法では、労働時間の上限を「原則、月45時間・年360時間」と定めています。

臨時的な特別な事情があり労使が合意する場合(特別条項)でも、守らなければならない上限が法律で定められました。

違反した企業には罰則が科されるため、業務効率化や適切な人員配置、週休2日制の導入が、努力目標ではなく「必須の経営課題」となったのです。

ただし、災害の復旧・復興の事業に関しては、月100時間未満や平均80時間以内の規制は適用されません。

参考|国土交通省:建設業における働き方改革

参考|厚生労働省:建設業における時間外労働の上限規制について

■ 2024年の法改正を追い風に、建設業界でのキャリアを始めませんか?

時間外労働の上限規制が適用され、建設業界の働き方は大きく変わりつつあります。カラフルスタッフィング建設では、全国の建設・施工管理の求人を未経験からベテランまでご希望に合わせてご紹介しています。

カラフルスタッフィング建設へのお問い合わせはこちら

3.データで見る建設業の労働実態と「離職率」の真実

3.データで見る建設業の労働実態と「離職率」の真実

では、法規制が始まった今、建設業の労働実態はデータ上どうなっているのでしょうか。

客観的な数値から、その実態と課題を読み解きます。

労働時間の実態:規制適用後も残る課題

法律が適用されたとはいえ、すべての課題が一朝一夕に解決したわけではありません。

調査によれば、時間外労働の上限規制が適用された後も、「月45時間を超えたことがある技術者がいる企業」は45.4%にのぼるというデータがあります。

また、長時間労働の理由として最も多いのは「現場作業後の書類作成・整理」(61.5%)であり、現場の作業効率化だけでなく、こうした管理業務のDX(デジタル化)が業界全体の急務であることがわかります。

一方で、業界団体の調査では、現場の約7割、事務所の8割超が36協定(時間外労働に関する労使協定)の延長時間を「年360時間以下」としており、規制遵守への意識は着実に進んでいることも示されています。

参考|一般社団法人 全国建設業協会:令和6年度「労働環境の整備に関するアンケート」結果

「離職率」のパラドックス:全体は低く、若年層と入職率に課題

「ブラック」という言葉から「離職率が高い」と想像しがちですが、データは異なる側面を示しています。

厚生労働省の雇用動向調査によると、建設業の離職率(令和4年で10.5%)は、全産業の平均(15.0%)や、宿泊・飲食サービス業(26.8%)などと比較して、むしろ低い水準にあります。

しかし、このデータだけで「働きやすい」と結論づけることはできません。

より深く分析すると、2つの重要な課題が浮かび上がります。

1.若年層の定着率

業界全体の離職率は低くても、新卒3年以内の離職率は高い傾向にあります(大卒約30%、高卒約40%)。

これは、入社後のギャップや育成環境の課題により、若年層が定着しにくい可能性を示唆しています。

2.入職率の低さ

より深刻なのは「入職率の低さ」です。

建設業の入職率(8.1%)は全産業平均(15.8%)を大きく下回り、結果として入職超過率(入職率 – 離職率)はマイナス2.4%となっています。

つまり、「辞める人が多い」こと以上に、「新しく入ってくる人がいない」ことが業界の大きな課題なのです。

以上もデータから、建設業界が「ブラック」というイメージによって、新しい人材(特に若年層)から敬遠されてしまっている実態がうかがえます。

▼あわせて読みたい

施工管理を辞めたいと感じる7つの理由と、後悔しない判断基準を解説。転職を考える前に知っておきたい具体的な行動ステップも紹介しています。

施工管理を辞めたい人必見!7つの理由と後悔しない判断基準
施工管理を辞めたい人必見!7つの理由と後悔しない判断基準
施工管理を辞めたい理由7つと転職成功のコツを解説。長時間労働などの悩みから脱出する判断基準と具体的行動ステップで後悔しない選択を。
https://kensetsu.colorful-career.jp/media/contents/a-mustsee-for-those-who-want-to-quit-construction/

4.国や業界が進める「働き方改革」(新3Kの実現)

建設業界の「3K」から「新3K」へ

旧3K

  • きつい
  • 汚い
  • 危険

新3K

  • 給料
  • 休暇
  • 希望

こうした課題に対し、国(国土交通省)や業界団体は、従来の「3K(きつい、汚い、危険)」のイメージを払拭し、「新3K(給料、休暇、希望)」を実現するための具体的な取り組みを進めています。

給料(Salary)

技能や経験を持つ労働者が適正に評価され、それに見合った賃金を受け取れるよう、公共工事の設計労務単価(公共工事の費用算出の基準)が引き上げられ続けています。

▼あわせて読みたい

施工管理の平均年収は全産業より高水準。地域別・年代別の給与相場と、年収アップを実現するための具体的な方法をデータで詳しく解説します。

施工管理の年収は632万円!地域別給与相場と年収1000万円達成法
施工管理の平均年収は?地域別の給与相場と年収アップ方法も解説
施工管理の年収は平均632万円で日本平均より37%高水準です。年代別・地域別の詳細データと年収1,000万円実現の具体的方法を解説!
https://kensetsu.colorful-career.jp/media/contents/construction-management-annual-salary/

休暇(Holidays)

国土交通省が発注する直轄工事において、通期での週休2日制工事の実施率が非常に高い水準(令和4年度で99.6%)に達するなど、国が主導して「休める環境」づくりを強力に推進しています。

この流れは民間工事にも波及しています。

希望(Hope)

ICT技術(ドローンやAI)を活用して生産性を向上させる「i-Construction」の推進や、技能者一人ひとりの資格や就業履歴をICカードで管理する「建設キャリアアップシステム(CCUS)」の導入により、スキルが客観的に評価され、キャリアアップに「希望」が持てる環境整備が進められています。

また、女性の活躍を推進するため、清潔な女性専用トイレや更衣室の設置が標準化しつつあるなど、多様な人材が働きやすい現場づくりも進んでいます。

■ 「新3K」を実現している建設企業への転職を、プロがサポートします

「給料・休暇・希望」が揃う建設企業への転職は、自分一人で探すより専門家のサポートが近道です。建設・施工管理に特化したカラフルスタッフィング建設が、あなたのご希望に合った求人をご紹介します。

カラフルスタッフィング建設へのお問い合わせはこちら

5.「ホワイトな建設会社」を見分ける5つの方法

「ホワイトな建設会社」を見分ける5つの方法

  • 1 資格取得支援制度が充実しているか
  • 2 勤怠管理の方法が明確か
  • 3 ICT・新技術の導入に積極的か
  • 4 「年間休日120日以上」が目安
  • 5 未経験者向けの研修制度があるか

業界全体が変わりつつあるとはいえ、その変化のスピードは企業によって異なります。

転職や就職を考える際には、自ら「ホワイトな(優良な)企業」を見分ける知識を持つことが重要です。

ここでは、キャリアコンサルティングの理論に基づいた、具体的なチェックポイントを5つ紹介します。

1. 資格取得支援制度が充実しているか

社員のスキルアップに投資する企業は、人材育成に真剣であり、成長意欲のある企業といえます。

受験費用や講習費用の補助、資格手当(毎月の給与への上乗せ)の有無は、重要な判断基準です。

▼あわせて読みたい

施工管理の転職で有利になる資格を7選で紹介。2024年の制度改正で取得しやすくなった今、キャリアアップを目指す方必見の内容です。

施工管理転職の資格選び決定版!人手不足で今がチャンス
施工管理転職で年収アップを実現する7つの資格を徹底解説。2024年制度改正で取得しやすくなった今がチャンス!
https://kensetsu.colorful-career.jp/media/contents/construction-management-career-change-qualifications/

2. 勤怠管理の方法が明確か

2024年の規制遵守は、正確な労働時間の把握が前提です。

「みなし残業(固定残業代)」を採用している場合、その時間が何時間分で、超過分は別途支給されるか、勤怠管理がタイムカードやICカード、アプリなどで客観的に行われているかを確認しましょう。

実際に、建設業技術者の勤怠管理について「一元管理していない」企業が約7割にのぼるという調査結果もあり、コンプライアンス意識を測る上で重要な指標となります。

3. ICT・新技術の導入に積極的か

ドローンやBIM/CIM(3次元モデル)、施工管理アプリなどを活用し、業務効率化に積極的な企業は、長時間労働の削減に本気である証拠です。

旧来のやり方に固執せず、生産性向上への意識が高いかを見極めましょう。

■ ICT導入に積極的なホワイト企業への転職、一緒に探しませんか?

ドローンやBIM/CIMなど新技術に積極的な企業ほど、長時間労働が少ない傾向があります。カラフルスタッフィング建設では、働き方改革に前向きな建設・施工管理の求人を多数取り扱っています。

カラフルスタッフィング建設へのお問い合わせはこちら

4. 「年間休日120日以上」が目安

「週休2日制(月に1回以上、週2日の休みがある)」ではなく、「完全週休2日制(毎週必ず2日の休みがある)」かどうかは大きな違いです。

一つの目安として「年間休日120日以上」(土日祝日休みに相当)が求人票に明記されているかを確認しましょう。

5. 未経験者向けの研修制度があるか

特に未経験から挑戦する場合、入社後にどのような研修プログラム(座学、OJTなど)が用意されているかは、その後のキャリア形成に直結します。

見て覚えろではなく、体系的に育てる仕組みがあるかを確認することが大切です。

6.「ブラック」のイメージと実態を理解し、キャリアを選択する

建設業は、社会インフラを支える「やりがい」や、需要の安定性、専門スキルが身につく「メリット」も非常に大きい業界です。

「ブラック」という過去のイメージや一部の実態に目を奪われるのではなく、2024年の法改正という大きな転換点と、業界全体の改善に向けた具体的な動きを理解することが重要です。

大切なのは、漠然とした不安で選択肢を狭めることではありません。

今回紹介したような「企業を見分ける知識」を身につけ、どの企業が「新3K」を本気で実現しようとしているのかを、ご自身の目で見極めて判断していくことが、納得のいくキャリア選択につながります。

▼あわせて読みたい

建設業界の将来性について、2024年問題やDXの観点から解説。人手不足がキャリアチャンスになる理由と、これから求められる人材像を紹介します。

建設業界に将来性はない? 2024年問題とDXが変える未来
建設業界に将来性はない? 2024年問題とDXが変える未来
建設業界の将来性、「2024年問題」や「人手不足」がなぜキャリアの好機となるのか、求められる人材像を解説します。
https://kensetsu.colorful-career.jp/media/contents/the-future-of-theconstruction-industry/
■ 納得のいくキャリア選択を、建設業界のプロと一緒に

「ホワイトな建設企業を見分ける知識」を身につけた上で、次のステップは求人探しです。カラフルスタッフィング建設は、日本全国の建設・施工管理求人に特化し、未経験からベテランまでご希望に合った転職を全力サポートします。

カラフルスタッフィング建設へのお問い合わせはこちら

あなたに合った
求人を見つけよう!

転職・求人情報はもちろん、
転職のノウハウなどお役立ちコンテンツで、
あなたの転職活動をサポートします。