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工事経歴書の書き方完全ガイド|職務経歴書との違いと作成のコツ

「工事経歴書ってどう書けばいいの?」「職務経歴書との違いがよくわからない…」

建設業界で働く方なら、一度はこのような疑問を抱いたことがあるのではないでしょうか。

工事経歴書は建設業許可申請や転職活動において重要な書類ですが、その書き方を正確に理解している人は意外に少ないのが現状です。記載内容やルールを間違えると、せっかくのチャンスを逃してしまう可能性もあります。

本記事では、工事経歴書の基本から具体的な書き方、職務経歴書との違い、絶対に避けるべきミスまで、建設業界で成功するために必要な知識を網羅的に解説します。

この記事を読んでわかること
  • 工事経歴書と職務経歴書の5つの決定的な違い
  • 建設業許可申請用と転職活動用それぞれの正しい書き方
  • 工事経歴書作成で絶対に避けるべき7つのミス
目次

1.工事経歴書とは|建設業界で重要な2つの役割

1.工事経歴書とは|建設業界で重要な2つの役割

工事経歴書という言葉には、2つの異なる意味と用途があります。建設業界で働く方であれば、どちらの工事経歴書についても正確に理解しておくことが重要です。

建設業許可申請・経営事項審査用の工事経歴書

工事経歴書は、企業が過去に手がけた工事の実績を客観的に示すことで、建設業者としての技術力や信頼性を証明する重要な役割を担っています。

建設業許可申請での重要性

建設業許可を取得するためには、技術的能力を証明する必要があり、工事経歴書はその中核となる書類です。許可行政庁は、申請企業が過去に適切に工事を完成させた実績があるかを工事経歴書で判断します。

記載された工事の以下の要素から、申請業種における施工能力を総合的に評価します。

  • 工事の規模
  • 技術的難易度
  • 完成状況

経営事項審査における評価への影響

経営事項審査では、工事経歴書の内容が点数化され、企業の格付けに直接影響します。

  • 完成工事高:経営規模等評価の25%を占める重要な評価項目
  • 元請工事の件数や規模:技術力評価に大きく関与

つまり、工事経歴書の書き方次第で、公共工事の受注機会が大きく変わる可能性があるのです。

提出が必要なタイミング

  • 建設業許可の新規申請時
  • 毎営業年度終了後の変更届(決算変更届)提出時
  • 建設業許可の更新申請時
  • 経営規模等評価の申請時
  • 公共工事入札参加のための経営事項審査申請時

転職活動用の工事経歴書(個人向け)

一方、転職活動用の工事経歴書は、個人の施工管理技士や建設技術者が自身の経験とスキルをアピールするために作成する書類です。この工事経歴書は、採用企業が応募者の実力を判断する重要な資料となります。

施工管理技士の転職における必須書類

建設業界の転職では、一般的な職務経歴書だけでなく、工事経歴書の提出を求められることがほとんどです。なぜなら、施工管理技士の価値は、これまでに手がけた具体的な工事の内容や規模によって最も適切に評価できるからです。

履歴書では表現しきれない以下の要素を、工事経歴書で詳細に示すことができます。

  • 技術的な経験
  • 専門性
  • 実務レベル

工事の規模、工法、技術的な特徴、担当した役割などから、応募者の技術レベルや経験値を具体的に把握できるため、採用の可否を決める重要な判断材料となります。

待遇決定への関与

優れた工事経歴書は、採用決定だけでなく、入社時の給与、役職、担当業務の決定にも大きく影響します。希少価値の高い経験や高度な技術力を持つ人材であることが証明できれば、より良い条件での転職が可能になります。

工事経歴書を準備すべき場面とその重要性

工事経歴書を準備すべき場面とその重要性

建設業許可申請では、工事経歴書の内容が許可の可否を左右します。経営事項審査では点数に直結し、公共工事の受注機会に影響します。転職活動では、工事経歴書の質が内定率や待遇条件を大きく変える可能性があります。

不備があった場合のリスク

  • 建設業許可申請:再提出や審査の長期化
  • 経営事項審査:評点の低下により公共工事の受注機会を失うリスク
  • 転職活動:信頼性を疑われ、選考から除外される可能性

工事経歴書は建設業界において、企業の事業展開と個人のキャリア形成の両面で極めて重要な役割を果たしているのです。

2.工事経歴書と職務経歴書の5つの決定的違い

工事経歴書と職務経歴書の5つの決定的違い
参考:国土交通省|工事経歴書(様式第2号)の書き方

建設業界で初めて転職活動をする方が最も混乱しやすいのが、工事経歴書と職務経歴書の違いです。

この2つの書類は似ているようで、実は全く異なる目的と評価基準を持っています。ここでは、その決定的な違いを5つのポイントで詳しく解説します。

記載内容の専門性レベルが異なる

記載内容の専門性レベルが異なる

工事経歴書|工事の技術的詳細を具体的に記載

工事経歴書では、担当した工事の技術的な詳細を具体的に記載します。

記載例:

  • 「RC造15階建て集合住宅新築工事」
  • 「PHC杭φ600×L=25m、120本打設」
  • 「耐震等級3対応、免震構造採用」
  • 「逆打ち工法」「プレキャスト工法」「免震工法」

建設業界の採用担当者は、これらの専門用語から応募者の技術レベルや経験領域を瞬時に判断できます。そのため、工事経歴書では建設業界固有の専門用語を正確に使用することが重要です。

職務経歴書|一般的な職務内容、スキル

一方、職務経歴書では「プロジェクト管理」「品質管理」「安全管理」「チームマネジメント」といった、より一般的な職務内容やビジネススキルを中心に記載します。

技術的な詳細よりも、組織運営能力、コミュニケーション能力、問題解決能力などの汎用的なスキルにフォーカスします。

採用における重要度の違い

採用における重要度の違い

建設業界の採用では、工事経歴書が職務経歴書よりも圧倒的に重視されます。これは、施工管理技士の能力が具体的な工事経験によって最も正確に測定できるためです。

実際に多くの建設会社の採用担当者は、「工事経歴書を最初に確認し、そこで応募者の実力を判断する」ことが多いです。

工事の規模、技術的難易度、担当した役割を見れば、その人がどの程度の現場を任せられるか、どのようなプロジェクトで力を発揮できるかが明確にわかるからです。

一般的な業界では、職務経歴書に記載された職歴、スキル、実績、自己PRが主な評価対象となります。しかし、建設業界では技術的な専門性と実務経験が何よりも重要視されるため、工事経歴書の内容が採用の可否を決定する最大の要因となります。

業界重視される書類主な評価項目
一般業界職務経歴書職歴、スキル、実績、自己PR
建設業界工事経歴書技術的専門性、実務経験

フォーマットの自由度

フォーマットの自由度

工事経歴書

工事経歴書には、建設業界で標準的とされる記載項目があります。工期、工事概要(注文者、工事名、請負金額)、職責、担当業務、工法・規模などは必須項目として、ほぼ全ての工事経歴書に含まれています。

必須項目

  • 工期
  • 工事概要(注文者、工事名、請負金額)
  • 職責
  • 担当業務
  • 工法・規模

これらの項目は、建設業界の採用担当者が応募者を評価するために必要な情報として確立されており、独自のフォーマットを作成する場合でも、これらの項目を漏らすことはできません。

職務経歴書

職務経歴書は、時系列式、キャリア式、プロジェクト式など、様々なフォーマットから選択でき、自分の経歴に最も適した形式で作成できます。

記載する内容も、職歴、スキル、資格、自己PR、志望動機など、ある程度自由に構成することが可能です。

評価ポイントの焦点

工事経歴書では、以下の点が主に評価されます。

これらは全て、具体的な工事内容と実績に基づいて判断されます。

職務経歴書では、技術力以外の要素も重要視されます。

提出を求められる業界・職種の範囲

提出を求められる業界・職種の範囲

それぞれの書類が必要な具体的な場面

工事経歴書が必要な場合

  • 施工管理技士の転職
  • 建築士の転職
  • 建設技術者の転職
  • 建設業界内での転職
  • 建設コンサルタントへの転職

職務経歴書が必要な場合

  • 業界を問わず、ほぼ全ての転職活動
  • 建設業界の管理部門や営業職(工事経歴書より重視される場合あり)

このように、工事経歴書と職務経歴書は、似ているようで全く異なる書類です。建設業界での転職を成功させるためには、この違いを正確に理解し、それぞれの書類の特性を活かした作成が重要です。

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3.建設業許可申請用|工事経歴書の書き方【経営事項審査対応】

建設業許可申請用|工事経歴書の書き方【経営事項審査対応】

建設業許可申請用の工事経歴書は、国土交通省が定める厳格なルールに従って作成する必要があります。特に経営事項審査を受ける場合は、記載方法の誤りが直接評点に影響するため、正確な理解が不可欠です。ここでは、具体的な書き方を詳しく解説します。

記載対象となる工事の選定基準

対象期間の考え方(前事業年度の工事)

工事経歴書に記載する工事は、申請日が属する事業年度の前事業年度に着工した工事が対象となります。

記載例
  • 申請日:2025年9月
  • 対象期間:2024年4月1日〜2025年3月31日に着工した工事を記載

重要なのは「着工日」が基準となることです。完成日ではなく、実際に工事を開始した日が対象期間内にあるかどうかで判断します。

この期間の計算を間違えると、記載すべき工事を漏らしたり、記載不要な工事を含めてしまったりする可能性があります。

完成工事と未成工事の扱い

対象期間内に着工した工事であれば、以下の両方を記載する必要があります。

工事の種類定義記載方法
完成工事対象期間内に着工し、申請時点で既に完成している工事通常の記載
未成工事対象期間内に着工したが、申請時点でまだ工事が続いている工事「未成工事」という見出しを付けて区別

軽微な工事の定義と記載ルール

工事の種類基準
一般工事請負金額500万円未満(税込)
建築一式工事請負金額1,500万円未満(税込)または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事

軽微な工事は、経営事項審査の記載ルールにおいて特別な扱いを受け、「10件制限」が適用されるため、全ての軽微な工事を記載する必要はありません。

経営事項審査を受ける場合の記載順序

経営事項審査を受ける場合の工事経歴書には、厳格なルールが適用されます。

Step1:元請工事の7割超までの記載方法

まず完成した元請工事について、請負金額の大きい順に記載していきます。

記載条件

  • 元請工事の完成工事高合計の7割を超えるところまで記載
  • 例:元請工事の合計額が10億円の場合 → 7億円を超えるまで記載

Step2:残り工事の記載ルール

前段階で記載しなかった工事について、以下の条件で記載します。

  • 元請工事と下請工事を含める
  • 全体の完成工事高の7割に達するまで記載
  • 請負金額の大きい順に記載
  • 元請・下請の区別なく、純粋に金額の大きい順

軽微な工事10件制限の適用

軽微な工事については、Step1とStep2の合計で最大10件まで記載すれば十分です。

適用ルール

  • 軽微な工事が11件以上ある場合 → 金額の大きい順に10件を選択
  • 7割基準に達する前に軽微な工事が10件に達した場合 → そこで記載終了

経営事項審査を受けない場合の簡易記載法

経営事項審査を受けない場合は、記載方法が大幅に簡略化されます。

完成した工事について、請負金額の大きい順に記載するだけです。7割基準や軽微な工事の10件制限は適用されません。

完成工事の記載が終わったら、「未成工事」という見出しを付けて、未完成の工事も請負金額の大きい順に記載します。こちらも特別な制限はありません。

経営事項審査を受けない場合、金額は税込・税抜のどちらでも構いませんが、統一して記載する必要があります。ただし、将来的に経営事項審査を受ける可能性を考慮し、課税事業者は税抜金額、免税事業者は税込金額で記載することを推奨します。

工事実績がない場合の対応方法

新設法人の記載例

新設法人で工事実績がない場合の記載方法

建設工事の種類:土木工事業
工事実績:新設法人のため実績なし

重要な注意点: 個人事業主時代の実績は、法人格が異なるため、法人の工事実績としては計上できません。

実績なし業種の記載方法

複数業種の許可を取得する場合で、特定の業種に実績がない場合

建設工事の種類:電気工事業
工事実績:当該業種の実績なし

ただし、他の業種で実績がある場合は、関連する実績を記載することも可能です。
例:電気工事業の許可取得時に、建築工事の中で電気設備工事を担当した実績があれば記載可能

工事実績がない場合でも、工事経歴書の提出自体は必要です。「実績なし」と記載した工事経歴書を提出することで、建設業許可の申請要件は満たされます。工事実績がないことだけを理由に許可が取り消されることはありません。

4.転職活動用|工事経歴書の効果的な書き方【見本付き】

転職活動用|工事経歴書の効果的な書き方【見本付き】

転職活動用の工事経歴書は、あなたの技術力と経験値を採用企業に的確に伝える重要なツールです。建設業界では、この書類の質が内定率や待遇条件を大きく左右します。ここでは、採用担当者に強い印象を与える工事経歴書の書き方を具体例とともに解説します。

記載すべき必須項目と優先順位

転職活動用の工事経歴書で記載すべき項目を優先順位順に整理すると以下の通りです。

1. 工事概要(注文者、工事名、請負金額)

最も重要な基本情報です。採用担当者は、まずこの情報から応募者の経験レベルを判断します。

記載例:

注文者:○○建設株式会社(元請)
工事名:△△市立中学校校舎新築工事
請負金額:15億8,000万円

注文者の記載方法

  • 個人の場合:「個人A」「個人T」などのイニシャルで記載(プライバシー配慮)
  • 法人の場合:正式名称を記載
  • 守秘義務がある場合:「大手ゼネコンA社」などの表記も可能

2. 工期と自身の参加期間

工事全体の工期と自分が実際に参加した期間を明確に分けて記載します。工事全体の期間と自分が実際に関わった期間を区別することで、責任範囲が明確になります。

記載例

工期:2023年4月〜2024年3月(12ヶ月)
参加期間:2023年4月〜2024年2月(11ヶ月)

3. 職責(立場)と担当業務

正確な役職名と具体的な業務内容を記載します。

職責(立場)と担当業務では、現場での主な管理業務を具体的に記載します。

記載例

職責:主任技術者
担当業務:工程管理、品質管理、安全管理、協力会社指導

主要な役職名

  • 主任技術者
  • 監理技術者
  • 現場代理人
  • 工事主任

4. 工法・規模・技術的特徴

技術的な特徴を具体的に記載し、応募者の技術レベルや経験領域を示します。

工法・規模・技術的特徴では、「PC工法、スパン35m」「免震構造、積層ゴム36基」「地下連続壁工法、GL-15m」など、技術的な特徴を具体的に記載します。これらの情報から、応募者の技術レベルや経験領域を判断できます。

記載例

工法・規模:PC工法、スパン35m
技術的特徴:免震構造、積層ゴム36基
特殊工法:地下連続壁工法、GL-15m

採用担当者に響く工事経歴書の作成テクニック

具体的な数値の活用が重要です。「大規模工事」ではなく「工事費15億円」、「高層建築」ではなく「地上20階建て」、「多数の作業員」ではなく「作業員最大150名」など、具体的な数値を用いることで、工事の規模や複雑さが明確に伝わります

技術的なアピールポイントでは、業界で評価される技術や工法を強調します。「BIM活用による3次元施工管理」「IoTセンサーによる品質管理」「プレキャスト工法による工期短縮」など、最新技術の活用経験があれば積極的に記載しましょう。

実績の効果的な見せ方として、困難な条件下での成功体験を強調します。「工期3ヶ月短縮達成」「無事故無災害達成」「品質評価最高ランク獲得」など、数値化できる成果があれば必ず記載します。

業種別の工事経歴書作成のポイント

建築施工管理の場合

建築施工管理の工事経歴書では、担当した建物の具体的な情報や、プロジェクトの技術的な特徴を明確に記載することが重要です。

項目記載内容の例
建物用途オフィス、住宅、商業施設、病院、学校 など
構造RC造、S造、SRC造、木造 など
規模階数、延床面積、最高高さ など
特殊工法免震、制振、プレキャスト、逆打ち工法 など

設備関連の知識(空調、電気、給排水)についても触れると評価が高まります。

土木施工管理の場合

土木施工管理では、工事の種類や工法だけでなく、現場の自然条件や環境への配慮といった、プロジェクトの背景を具体的に示すことが求められます。

項目記載内容の例
工事種別道路、橋梁、トンネル、上下水道、河川改修 など
工法場所打ち杭、PC工法、NATM工法、推進工法 など
地質条件軟弱地盤、岩盤、地下水位、土質改良 など
環境配慮騒音対策、振動対策、環境保全、生態系保護 など

電気・設備施工管理の場合

電気・設備施工管理では、扱った設備の種類やシステムの詳細に加え、省エネ技術や保守管理といった、運用面での経験も重要なアピールポイントです。

項目記載内容の例
設備種別受変電設備、空調設備、給排水設備、消防設備 など
制御システム中央監視、自動制御、省エネ制御、BEMS など
省エネ技術LED照明、高効率機器、再生可能エネルギー など
保守管理経験定期点検、予防保全、緊急対応 など
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5.工事経歴書作成で絶対に避けるべき7つのミス

工事経歴書作成で絶対に避けるべき7つのミス

工事経歴書の作成では、小さなミスが大きな問題につながることがあります。特に建設業許可申請や経営事項審査においては、記載ミスが審査の遅延や評点の低下を招く可能性があります。ここでは、絶対に避けるべき7つのミスとその対策を詳しく解説します。

記載金額と請求書・入金記録の不一致

Warning

最も多いミスの一つが、工事経歴書に記載した金額と実際の請求書や入金記録の金額が一致しないことです。

よくある不一致のパターンとしては、追加工事による金額変更、値引きやペナルティによる減額、他の工事との相殺決済、消費税の取り扱いミスなどがあります。

修正方法と対応策

  • 工事経歴書には、最終的に確定した金額を記載します。(例:当初契約5,000万円+追加工事500万円=5,500万円を記載)
  • 値引きがあった場合は、値引き後の金額を記載し、その理由も記録として明確に残します。
  • 工事完了時に必ず契約書、変更契約書、請求書、入金記録を照合し、金額の整合性をチェックします。

工期と審査基準日の計算ミス

Warning

工期の計算ミスも頻繁に発生します。

特に、完成工事として計上できるかどうかの判定で間違いが生じやすいのです。

例えば、審査基準日を3月31日とし、契約書に「契約日2月15日、工期120日」と記載されている場合、工事完了予定日は6月14日となり、3月31日時点では工事は完了していないため、完成工事として計上することはできません。

修正方法と対応策

  • 契約日から工期日数を加算して正確な完了予定日を計算し、審査基準日と比較します。
  • 工事が複数の事業年度にまたがる場合は、着工日がどちらの年度に属するかで判断します。
  • カレンダーを使い、正確な日数計算を行い、土日祝日の扱いについても契約書で確認することが重要です。

工事の種類が不明確な表記

Warning

工事名だけでは具体的な工事内容が判断できない場合があります。

例えば、「○○ビル工事」という記載では、新築なのか改修なのか、どのような構造なのかが不明です。このような場合、内訳書や見積書の追加資料が必要になることがあります。

明確な記載方法

  • 工事の「種別」「構造」「規模」などを具体的に含めて記載します。
  • 記載例:
    • 「〇〇ビル新築工事(RC造10階建て)」
    • 「△△道路舗装工事(アスファルト舗装、延長2.5km)」
    • 「××学校耐震補強工事(RC造3階建て校舎)」

他の提出書類との整合性不足

Warning

工事経歴書の内容が履歴書・職務経歴書と矛盾していると、信頼性を損ないます。

よくある矛盾として、在職期間と工事期間の不一致、役職名の相違、会社名の表記違いなどがあります。

一貫性を保つためのチェックポイント

  • 全ての書類で会社名、在職期間、役職名を統一します。
  • 担当した工事期間が、自身の在職期間内に収まっているか必ず確認します。
  • 複数の会社での経歴がある場合は、時系列に矛盾がないか注意深くチェックします。

軽微な工事の記載ルール違反

Warning

経営事項審査では、軽微な工事について10件制限が適用されます。
軽微な工事とは、一般工事で請負金額500万円未満、建築一式工事で請負金額1,500万円未満の工事を指します。

この制限を理解せずに、全ての軽微な工事を記載してしまうと、書類の分量が膨大になり、審査に支障をきたす可能性があります。

正しい記載方法

  • 軽微な工事の記載は、金額の大きい順に最大10件までという制限があります。
  • 10件を超える場合は、金額の大きいものから選んで記載します。
  • 軽微かどうかの判定は税込金額で行います。

税込・税抜の統一ミス

Warning

工事経歴書内で税込・税抜の表記が混在していると、金額の比較ができなくなり、審査に支障をきたします。

特に経営事項審査では、課税業者は税抜、免税事業者は税込で統一する必要があります。

対応策

  • 自社の消費税納税義務者区分を確認し、上記の基準に従って金額表記を統一します。
  • 書類の冒頭に「金額:税抜」または「金額:税込」と明記しておくと親切です。

配置技術者の記載漏れ・誤記

Warning

建設業法では、一定規模以上の工事において主任技術者または監理技術者の配置が義務付けられています。
工事経歴書でこれらの技術者の記載が漏れていたり、誤った資格名が記載されていたりすると、法令違反を疑われる可能性があります。

必要な資格要件の確認として、工事の種別と規模に応じて必要な技術者資格を確認し、主任技術者は該当する業種の技術検定合格者または実務経験者、監理技術者は技術検定合格者で実務経験を有する者である必要があります。

正確な記載方法

  • 技術者氏名、保有資格の正式名称、資格取得年月日、実務経験年数を正確に記載します。
  • 複数の資格を持つ技術者の場合、その工事に最も関連性の高い資格を記載します。
  • 自社の技術者台帳と内容が一致しているか必ず確認します。
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6.工事経歴書を活用した建設業キャリア戦略

工事経歴書を活用した建設業キャリア戦略

工事経歴書は単なる実績の記録ではなく、戦略的に活用することで建設業界でのキャリアアップや事業拡大を加速させる強力なツールとなります。ここでは、工事経歴書を活用した具体的な戦略を解説します。

経営事項審査での点数アップにつながる工事経歴書

経営事項審査の評点向上には、どの工事実績を記載するかの戦略的な選択が重要です。

元請工事の実績を増やす

Success

元請工事件数を増やすことは、技術力評価の向上に直結します。

下請工事中心の事業者であっても、小規模でも元請工事を積極的に受注し、元請としての実績を積み重ねることで評点向上が期待できます。

元請工事の割合が50%を超えると高く評価されるため、下請中心の事業者であっても、まずは小規模な案件からでも元請としての経験を積極的に積み重ねていくことが重要です。単独での受注が難しい場合は、JV(共同企業体)へ参加し、大規模な元請工事へ関与することも有効な戦略です。

元請工事の割合技術力評価への影響戦略
50%以上高評価小規模でも元請工事を積極的に受注
30〜50%中評価JV参加により大規模元請工事への参画
30%未満低評価下請中心の事業構造を見直し

技術力評価を高める工事を選択する

Success

評点向上に繋がりやすい工事を戦略的に選び、その内容を的確にアピールします。

  • 高度な技術を要する工事
    免震・制振構造、超高層建築、地下大空間といった工事経験は、プロジェクトの技術的な特徴や難易度を具体的に記載することで高く評価されます。
  • 新技術・新工法の採用
    ICT活用、BIM/CIM、プレキャスト工法など、先進的な取り組みは積極的にアピールすべきです。採用した新技術・新工法名を明確に記載しましょう。
  • 有資格者の適切な配置
    監理技術者や1級施工管理技士といった有資格者を適切に配置した実績は、技術力の証明になります。配置技術者欄で保有資格を正確に明記してください。
  • 品質・安全管理での優良な実績
    無事故・無災害の達成や、発注者からの優良工事表彰といった客観的な評価は、信頼性の高いアピール材料です。受賞歴や安全成績を具体的に記載しましょう。

転職成功率を高める工事経歴書の戦略的活用

転職活動では、応募先企業に「響く」実績を戦略的に見せることが成功の鍵となります。

応募企業の事業領域に合わせて経験を強調する

Success

応募企業の主力事業、得意分野、今後の事業展開方向を事前に調査し、自身の経験の中から最もマッチする実績を前面に押し出しましょう

  • 病院建設に強い企業へ応募する場合
    医療施設での建設・改修経験を強調し、医療ガス設備、手術室の特殊仕様、感染対策といった専門知識に触れると効果的です。
  • マンション分譲が主力の企業へ応募する場合
    集合住宅の建設経験をアピールし、住宅性能、省エネ基準、居住性を高める工夫、工程管理能力などを具体的に示します。
  • インフラ整備が得意な企業へ応募する場合
    道路、橋梁、トンネルといった公共工事の経験を記載し、品質・耐久性の管理や環境配慮に関する実績を強調します。

希少価値の高い経験で市場価値をアピールする

Success

他の応募者と差別化できる経験は、転職時の大きなアドバンテージです。

  • 特殊工法・最新技術の経験
    市場価値が非常に高いため、技術名を具体的に記載し、工期短縮やコスト削減の効果を数値で示しましょう。
  • 大規模・複雑なプロジェクトの経験
    工事金額、延床面積、構造といった規模感に加え、技術的な困難をどう乗り越えたかを具体的に記述します。
  • 海外工事や特殊環境での経験
    現地の気候や法規制といった特殊条件への対応力や語学力もアピールポイントになります。

年収アップにつながる実績を具体的に示す

Success

高い評価と報酬を得るためには、自身の貢献度を具体的な言葉と数値で示すことが極めて重要です。

  • 担当した工事規模の大きさ
    「工事費50億円」「延床面積10万㎡」のように具体的な数値を記載することで、大規模プロジェクトを扱える能力を示します。
  • マネジメントした範囲の広さ
    「ピーク時作業員300名を管理」「協力会社20社以上を統括」といった実績は、管理能力の高さを証明します。
  • 残した成果や改善効果
    「VE提案によりコスト15%削減」「工程見直しで工期20%短縮」など、具体的な改善効果を数値で示すことで、あなたの価値が明確に伝わります。

これらの実績は、より高い報酬での転職を実現する重要な要素となります。

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建設業界でのキャリア形成における工事経歴書の位置づけ

工事経歴書は、自身のキャリアを設計し、実現するための大切な書類です。

長期的なキャリア戦略から逆算する

Success

将来の目標から逆算し、今積むべき経験を意識的に選択することが大切です。

  • 独立・起業を目指す場合
    元請工事の経験はもちろん、営業や受注活動、経営管理の視点が不可欠です。工事経歴書には、小規模でも元請として利益管理まで行った実績を記載していきましょう。
  • 大手ゼネコンへの転職を目指す場合
    大規模工事や最新技術の活用経験、マネジメント能力が求められます。技術力と管理能力を両立させた実績をアピールしましょう。
  • 専門技術者を目指す場合
    特定の特殊工法や高度な技術開発など、専門性を証明できる工事に積極的に参加し、その技術的貢献を詳細に記録することが重要です。

スキルアップと実績蓄積を連動させる

Success

継続的な成長のために、まずは新しい技術や未経験の工法に挑戦し、その経験を「課題・解決策・成果」として工事経歴書に詳細に記録します。

関連資格の取得と実務経験を組み合わせることで、自身の専門性を高め、さらに高度な案件へ参画する機会を掴むことができます。

工事経歴書は、建設業界における個人と企業の成長を支える重要なツールです。戦略的に活用することで、キャリアアップや事業拡大の可能性を大きく広げることができるでしょう。

7.工事経歴書を制して建設業界でのキャリアを加速させよう

工事経歴書は、あなたの技術と経験を証明する最も重要な書類です。その価値を最大限に引き出し、キャリアアップに繋げるためのポイントを再確認しましょう。

工事経歴書作成の重要ポイント再確認 工事経歴書作成で最も重要な2つの視点

工事経歴書作成の2つの視点

建設業許可申請

法令に基づく「正確性」

転職活動

強みを伝える「戦略性」

「正確性」と「戦略性」の両立

1.「目的」に応じた使い分けが成功の鍵

工事経歴書の作成において最も重要なのは、用途別の使い分けです。

工事経歴書は、提出する相手によってその役割が変わります。建設業許可申請で求められるのは「法令に基づく正確性」です

一方、転職活動で重要なのは、自身の強みを伝える「戦略的なアピール」です。それぞれの目的に合わせて、記載内容や強調すべきポイントを的確に調整することが成功に繋がります。

2.「正確性」と「戦略性」の両立

正確性と戦略性の両立も欠かせません。事実に基づいた正確な情報を記載することは大前提ですが、その中でも自分や自社の強みを効果的にアピールする戦略的な視点が必要です。

事実に基づいた正確な情報こそが、信頼の基盤です。しかし、ただ事実を羅列するだけでは不十分です。自身の技術的な専門性、大規模工事への対応力、マネジメント能力など、評価されるポイントを理解し、正確な情報の中から自らの強みを効果的に見せる戦略的な視点を持ちましょう。

建設業界での成功に向けた次のステップ

成功に向けた次のステップ

キャリアプランを明確にし
計画的に更新する

最新技術への対応力を
アピールする

工事経歴書をキャリア戦略のツールとして、積極的に活用していきましょう。

  • キャリアプランを明確にし、計画的に更新する
    まず自分の現在地と目指す方向性を明確にしましょう。そこから逆算して、必要な経験やスキルを計画的に積み重ね、それらを工事経歴書に反映させていくことが重要です。定期的に内容を更新し、常に最新の状態に保つことで、突然のチャンスにも迅速に対応できます。
  • 最新技術への対応力をアピールする
    建設業界では、新しい工法、材料、ICT技術の活用が急速に進んでいます。これらの最新技術に対応した経験は、あなたの市場価値を大きく高めます。積極的に新しい挑戦を続け、その実績を工事経歴書でアピールすることで、業界で求められる人材として評価されるでしょう。
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8.工事経歴書でキャリアを飛躍させるために

工事経歴書は建設業界で成功するための重要な武器です。正確な記載方法を身につけ、戦略的に活用することで、建設業許可の取得、経営事項審査での高評点獲得、転職での条件向上など、様々な場面で大きなアドバンテージを得られます。

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