建設業界は社会基盤を支える重要な分野であり、測量士補はその第一歩となる国家資格です。
しかし、この資格の価値は平均年収の額面そのものよりも、将来のキャリアの可能性を広げる「スタートライン」としての側面にあります。
本記事では、測量士補の年収の実態と、そこから測量士やその他の専門職へとステップアップし、年収を上げていくための具体的なキャリア戦略について解説します。
- 測量士補の平均年収と、測量士との具体的な年収差
- 測量士補の資格がキャリアの「スタートライン」と呼ばれる理由
- 測量士や土地家屋調査士など、年収を上げるための具体的なキャリアパス
1.測量士補の年収はいくら?平均と実態
測量士補の年収について
平均年収と
給与幅
企業規模や
地域による違い
測量士の年収
との比較
測量士補の年収について、具体的なデータと、上位資格である「測量士」との比較を見ていきましょう。
測量士補の平均年収と給与幅
測量士補の平均年収は、一般的に約310万円前後とされています。
ただし、これはあくまで平均値であり、勤務する企業の規模や地域、個人の経験年数などによって給与幅は変動します。
新卒や未経験で入社した場合、初任給はこれよりも低い水準からスタートすることが一般的です。
参考:東京法経学院|測量士補の年収はいくら?仕事内容や年収アップを目指す方法を解説
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施工管理職の年収相場も気になる方へ。地域別・年代別のデータをもとに、平均年収と年収アップの方法を詳しく解説しています。
企業規模や年齢による年収の違い
年収は、勤務先の企業規模によっても差が出る傾向があります。
例えば、測量士のデータを見ると、企業規模が100~999人の企業で平均年収が約610万円となる一方、10~99人の企業では約476万円となっています。
一般的に、公共事業などの大規模プロジェクトを請け負う大手企業の方が、福利厚生を含めた待遇が良い傾向にあります。
年齢によっても年収は上昇する傾向があり、測量士のデータでは30~34歳で約446万円となるなど、経験に応じて着実に昇給していくことがわかります
参考:
厚生労働省|職業情報提供サイト(jobtag)測量士
厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況
測量士の平均年収との比較
キャリアを考える上で最も重要なのが、上位資格である「測量士」との年収差です。
測量士補の平均年収が約310万円であるのに対し、測量士の平均年収は約500万円からと、明確な差があります。
さらに、測量士として実務経験を積み、主任クラス(5~10年経験)になると500万円台、管理職や高度な専門技術を持つ人材(10年以上)となると、年収700万円~800万円を目指すことも可能です。
この二つの資格の差をまとめたのが、以下の表です。
| 項目 | 測量士補 | 測量士 |
|---|---|---|
| 平均年収 | 約310万円 | 約500万円~(経験により800万円以上も) |
| 主な業務 | 測量士が作成した計画の補助 | 測量計画の作成・実施 、測量業務の主任技術者 |
| 資格根拠 | 測量法 第48条 | 測量法 第48条 |
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2.測量士補の年収が「スタートライン」である理由
測量士補の年収が「スタートライン」である理由
「業務独占資格」
ではない
「測量士」になる
ための実務経験
測量士補の年収が測量士と比べて低いことには、資格の法的な位置づけが関係しています。
測量士補は「業務独占資格」ではない
測量業務、特に国や地方公共団体が発注する「公共測量」は測量法に基づき、測量士または測量士補でなければ従事できません。
しかし、測量士補の役割は、測量法において「測量士の作成した計画に従い」業務を行うこと、つまり「補助」と定められています。
測量計画そのものを作成し、業務全体の責任者(主任技術者)となることができるのは「測量士」だけです。この責任範囲の違いが、そのまま年収の差に直結しています。
真価は「測量士」になるための実務経験
では、測量士補の資格価値は低いのでしょうか。
測量士補の資格が持つ最大の価値は、より高い年収とキャリアを得るための「測量士」になるための、法的に認められた「実務経験」を積むスタートラインに立てる点にあります。
測量士になるルートはいくつかありますが、測量士補としてキャリアをスタートすることは、そのための最も堅実な道の一つです。
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資格を活かして転職を検討している方は、施工管理技士補の取得メリットや年収アップ事例も参考になります。建設業界でのキャリア形成に役立つ情報をまとめました。
3.測量士補からのキャリアパスと年収アップ戦略
測量士補からのキャリアパスと年収アップ戦略
測量士への
ステップアップ
独立開業|
土地家屋調査士
他職種への展開
(施工管理など)
測量士補の資格を取得した後、年収を上げていくためには、明確なキャリア戦略が不可欠です。具体的な方法は以下の通りです。
測量士へのステップアップ
最も一般的で王道となるのが、測量士の資格を取得することです。
測量士補として指定された年数(学歴により異なる)の実務経験を積むことで、測量士の試験を経ずに登録できるルートもありますし、試験に合格して測量士になる道もあります。
測量士となれば、現場の主任技術者としてキャリアアップし、年収500万円~800万円のラインを目指すことが可能になります 。
独立開業|土地家屋調査士という選択肢
測量士の資格は、独立開業への道も開きます。さらに、測量士の知識と親和性が非常に高い資格に「土地家屋調査士」があります。

土地家屋調査士は、不動産登記に関する測量や申請を独占的に行える資格であり、測量士と兼業することで、独立開業後に年収1000万円以上を目指すキャリアパスも現実的になります。
参考|厚生労働省:職業情報提供サイト(jobtag)土地家屋調査士
建設業界の他職種(施工管理など)への展開
測量士補として身につけた図面読解能力や現場経験は、建設業界の他の職種でも高く評価されます。
例えば、工事全体の管理を行う「施工管理」 へキャリアチェンジする道もあります。
業種を越えて通用する『ポータブルスキル』を活用し、施工管理に転身することで、より大規模なプロジェクトのマネジメントに携わり、年収を一段階引き上げるチャンスが広がります。
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測量の現場経験を活かして施工管理へ転職した事例も増えています。未経験・資格なしでも挑戦できる施工管理転職の具体的なステップを解説しています。
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4.測量士補・測量士の将来性と働き方

年収と並んで重要なのが、業界の将来性や働き方です。建設業界は今、大きな変革期を迎えています。
i-Constructionなど技術革新の影響
測量分野は、技術革新が最も進んでいる分野の一つです。
ドローンやAIを使った測量、3Dレーザースキャナなど、「i-Construction」と呼ばれる、国土交通省が推進するICT技術(ドローンやAI、3Dスキャナなど)を活用した取り組みにより、業務の効率化と高精度化が進んでいます。
従来の体力勝負のイメージから、最新技術を使いこなす「技術・知識集約型」の仕事へと変化しています。
参考|国土交通省:i-Construction 2.0 ~建設現場のオートメーション化~
「人手不足」の背景とチャンス
公的な調査を見ると、「測量業者の数」は減少傾向にあります。
一方で、現場では「測量士・測量士補が(合計約6000人)不足している」というデータもあります。これは、業界が二極化していることを示唆しています。
従来型の業務を行う業者が淘汰される一方で、i-Constructionのような高度な技術を扱える専門人材(技術士やRCCMなど)は、極端に不足しているのです。
これから専門性を身につけようとする人にとって、「高スキル人材」として高い需要と年収を得られる大きなチャンスがあることを意味します。
建設業界の「2024年問題」と働き方改革
建設業界では、2024年4月から時間外労働の上限規制が適用されました。
これにより、かつての「きつい、汚い、危険」といった「3K」のイメージを払拭し、「給料・休暇・希望」の「新3K」を実現するため、業界全体で週休2日制の導入や長時間労働の是正が法的に進められています。
測量分野も例外ではなく、働きやすい環境への改善が加速しています。
参考:厚生労働省|建設業 時間外労働の上限規制 わかりやすい解説
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建設業界の2024年問題やDXが業界の未来をどう変えるのか、将来性を含めて詳しく解説しています。転職・キャリア検討中の方に参考になる内容です。
建設キャリアアップシステム(CCUS)による評価の「見える化」
国土交通省が推進する「建設キャリアアップシステム(CCUS)」により、個人の資格や就業履歴がICカードに記録され、スキルが「見える化」される仕組みが整いつつあります。
これにより、測量士補としてスタートした後、測量士や関連資格を取得していくプロセスが客観的に証明され、公正な評価と待遇を受けやすくなります。
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5.測量士補は安定したキャリアの堅実な第一歩
測量士補の平均年収は、キャリアのゴールではなく、あくまで「スタートライン」です。
その真の価値は、社会基盤を支える建設・不動産業界で、測量士、土地家屋調査士、あるいは施工管理といった専門職へとステップアップする点にあります。
建設業界が技術革新と働き方改革のまっただ中にある今、測量士補の資格取得は、将来の年収とキャリアの可能性を戦略的に高めていくための、第一歩といえるでしょう。
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