ゼネコン業界への就職や転職を考える際、最も気になる情報の一つが「給料」ではないでしょうか。
「スーパーゼネコンは年収1,000万円を超える」といった話を聞く一方で、「激務なのでは?」という不安を感じるかもしれません。
建設業界は今、「2024年問題」と呼ばれる働き方改革の大きな転換期を迎えています。給与水準が高い理由や業界の新しい働き方を正しく理解することが、キャリア選択において重要です。
この記事では、最新のゼネコン平均年収ランキングから年代別・職種別の給与モデル、そして「2024年問題」以降の働き方の実態まで解説します。
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- ゼネコンの最新平均年収ランキング(スーパーゼネコン各社比較)
- 年代別(20代・30代・40代)や職種別(施工管理・設計など)の具体的な給与モデル
- 「2024年問題」がもたらした働き方の変化と、高年収を目指すためのキャリアパス
1.ゼネコンとは? まずは基本を3分でおさらい

ゼネコンの定義と3つの分類(スーパー・準大手・中堅)
「ゼネコン」とは、「General Contractor(ゼネラル・コントラクター)」の略で、日本語では「総合建設業者」と呼ばれます。
その名の通り、土木工事や建築工事を発注者(お客様)から直接請け負い、工事全体の計画から管理、実行までを総合的に取りまとめる企業のことを指します。
ゼネコンは、その売上高や規模によって、大きく以下の3つに分類されるのが一般的です。
ゼネコンの分類
- スーパーゼネコン:売上高(単体)が1兆円以上で、国内外の大規模プロジェクトを手掛ける業界トップの企業群(鹿島建設、大林組、大成建設、清水建設、竹中工務店の5社)。
- 準大手ゼネコン:売上高が3,000億円以上で、スーパーゼネコンに次ぐ規模を持つ企業群。
- 中堅ゼネコン:売上高が1,000億円以上で、特定の地域や得意分野(道路、ダム、建築など)に強みを持つ企業群。
サブコン、デベロッパーとの違いは?
建設業界には似た言葉がいくつかあります。
サブコンとデベロッパーの違い
- サブコン(専門工事業者):ゼネコン(元請け)から、電気、空調、配管、塗装など、特定の専門分野の工事を請け負う会社です。ゼネコンが「監督・指揮者」なら、サブコンは「専門技術を持つ演奏者」といえます。
- デベロッパー(不動産開発業者):工事を請け負うのではなく、土地の仕入れから企画、販売まで、プロジェクト全体を「発注する側(お客様)」の立場にある企業です。
2.【最新版】ゼネコン平均年収ランキング

それでは、主要ゼネコンの平均年収を見ていきましょう。ここでは、各社が公開している有価証券報告書などのデータを基にした、平均年収ランキングを紹介します。
※平均年収は、あくまで全従業員の平均値であり、年齢や職種によって変動します。
スーパーゼネコン5社(鹿島建設、大林組など)の平均年収を比較
業界を牽引するスーパーゼネコン5社の平均年収はすべて1,000万円を超えており、国内トップクラスの給与水準となっています。
| 企業名 | 平均年収 | 区分 |
|---|---|---|
| 鹿島建設 | 1,184万円 | スーパーゼネコン |
| 大林組 | 1,140万円 | スーパーゼネコン |
| 大成建設 | 1,058万円 | スーパーゼネコン |
| 竹中工務店 | 1,032万円 | スーパーゼネコン |
| 清水建設 | 1,011万円 | スーパーゼネコン |
参考|各社有価証券報告書:鹿島建設/大林組/大成建設/竹中工務店/清水建設
準大手・中堅ゼネコンの平均年収一覧
準大手・中堅ゼネコンも、全産業の平均年収と比較して高い水準にあります。
参考|各社有価証券報告書:安藤・間/奥村組/東亜建設工業/淺沼組/東洋建設
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スーパーゼネコンから中堅まで、売上高・年収・将来性を網羅したランキングはこちらの記事で詳しく解説しています。
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3.給料は「何」で決まる? 年代別・職種別の給与モデル

ゼネコンの給料は、年齢や職種、役職によってどのように変わっていくのでしょうか。
【年代別】20代、30代、40代の平均年収モデル
年代別の年収モデルは、キャリアプランを考える上で参考になります。
年代別の平均年収モデル
- 20代(新卒~):約400万~600万円。新卒の初任給自体は他業種と大きく変わりませんが、残業代や各種手当が加わることが多いです。
- 30代(中堅):約600万~800万円。現場での経験を積み、主任などの役職に就き始める時期です。2級・1級施工管理技士などの資格を取得し、年収が大きく上がり始めます。
- 40代(管理職):約800万~1,000万円超。係長や課長、現場のトップである「所長」クラスになると、年収1,000万円を超えるケースが多くなります。
- 50代(幹部):約900万~1,200万円以上。部長クラスや役員になると、さらに高い水準になります。
【職種別】施工管理、設計、営業、事務の年収比較
ゼネコンには多様な職種があり、職種によっても給与水準は異なります。
職種別の年収モデル
- 施工管理(現場監督):
建設業界全体の平均で約630万円と最も高い部類に入ります。
現場の責任者として工程・品質・原価・安全の4大管理を担うため、その責任と専門性に応じて手当も厚くなります。 - 設計(建築士):施工管理に次いで高い水準です。特に「一級建築士」の国家資格は価値が非常に高く、資格手当や専門職としての給与が設定されています。
- 営業職:
プロジェクトを受注する重要な役割ですが、平均年収は施工管理や設計よりはやや低い傾向にあります。ただし、成果に応じたインセンティブが設定されている場合もあります。 - 事務職(内勤):経理、人事、総務などの管理部門です。現場に出る職種と比べると平均年収は低くなりますが、それでも他業種の事務職よりは高い水準です。
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施工管理の年収を年代別・地域別にさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事で最新データをまとめています。
【役職別】主任、係長、課長で年収はどこまで上がる?
多くのゼネコンでは、役職が上がるにつれて給料も明確に上昇します。
役職別の年収モデル
- 主任・係長クラス:年収700万~900万円が目安。
現場やチームのリーダーを任されます。 - 課長クラス:年収900万~1,100万円が目安。
現場の最高責任者である「所長」や、本社の管理職となります。 - 部長クラス:年収1,100万円以上。
複数のプロジェクトや部門を統括する幹部職です。
4.ゼネコンの給料はなぜ高いのか? 3つの理由を解説
💰 ゼネコンの給料が高い3つの理由
大規模プロジェクトを担う専門性と責任
資格手当や現場手当などの充実
残業代 (※業界は変化の真っ最中)
ゼネコンの給与水準が他業種と比べて高いのには、明確な理由があります。
理由1:大規模プロジェクトを担う専門性と責任
ゼネコンの仕事は、数億円から数千億円規模の社会インフラ(ダム、トンネル、高層ビルなど)を創り上げる、専門性が高く社会的責任の重い仕事です。
このプロジェクトの規模と責任の重さが、給料に反映されています。
理由2:資格手当や現場手当などの充実
ゼネコンの業務には、法律で配置が義務付けられている国家資格(施工管理技士や建築士など)が不可欠です。
企業はこれらの資格保有者に対し、月数万円の「資格手当」を支給することが一般的です。

さらに、現場勤務者には「現場手当」が支給されるなど各種手当が充実していることも給料アップにつながっています。
理由3:残業代(※業界は変化の真っ最中)
従来、工期を守るために長時間労働が発生しやすく、その分の残業代が給与を押し上げていた側面は確かにありました。
しかし、この「残業ありき」の構造は次に解説する「2024年問題」によって、今まさに根本から変わろうとしています。
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5.「ゼネコンは激務」は本当? 2024年問題と働き方改革のリアル

「給料は高いが激務」というイメージは、建設業界の大きな課題でした。しかし、その常識は法改正によって大きく変わりました。
2024年4月から適用された「時間外労働の上限規制」とは?
「2024年問題」とは、働き方改革関連法により、2024年4月1日から建設業にも「時間外労働の上限規制」が罰則付きで適用されたことを指します。
これは、残業時間を原則として「月45時間・年360時間」以内としなければならないという法律です。

これに違反した企業には罰則が科されるため、企業は「激務」を前提とした経営ができなくなったのです。
この法的拘束力が、業界の働き方改革を強力に後押ししています。
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「新3K(給料・休暇・希望)」へ。週休2日制も推進
かつての「3K(きつい、汚い、危険)」のイメージを払拭するため、業界全体で「新3K(給料が良い・休暇が取れる・希望がもてる)」への転換が進められています。
特に国土交通省が主導し、公共工事では原則として週休2日制が導入されており、その流れは民間の工事にも急速に広がっています。
参考:国土交通省|新3Kを実現するための直轄工事における取組
優良企業の見分け方(年間休日数・IT化への取り組み)
もちろん、企業の取り組みには差があります。転職や就職で優良企業を見極めるには、以下の点に注目するとよいでしょう。
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6.ゼネコンで高年収を実現するためのキャリアパス

ゼネコンは専門性を高めることで着実に高年収を実現しやすい業界といえます。
年収アップに直結する国家資格(1級施工管理技士など)
ゼネコンでのキャリアアップに重要な要素が「国家資格」です。特に「1級施工管理技士」や「一級建築士」は、大規模な工事現場の責任者(監理技術者)になるために法律上必須の資格です。

企業は公共工事の入札(経営事項審査)においても、1級資格者の人数が多いほど有利になるため、これらの資格保有者は価値が高く、昇進・昇給に直結します。
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キャリアアップの鍵は「実務経験」の蓄積
ここで重要なのが、これらの最上位の国家資格は「誰でもすぐに受けられるわけではない」という点です。
受験資格として、例外なく一定期間以上の「実務経験」が必須条件とされています。
つまり、ゼネコンでのキャリアは、日々の業務を通じてこの「実務経験」を計画的に蓄積し、それを「国家資格」という形に変えていくプロセスそのものなのです。
未経験から目指す「施工管理」という選択肢
「実務経験がないと始まらないのか」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。建設業界は深刻な人手不足を背景に、未経験者の採用と育成に積極的です。
特に「施工管理(のアシスタント)」は、未経験からキャリアをスタートする入口として現実的かつ有望な職種です。
入社後に「資格取得支援制度」などを活用しながら実務経験を積み、まずは「2級施工管理技士」、そして「1級施工管理技士」とステップアップしていくのが、高年収を目指す王道のキャリアパスとなっています。
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7.ゼネコンの高収入を支える専門性。「激務」から「新3K」の時代へ
ゼネコンの給与水準は、他業種と比べても魅力的なものです。その理由は、大規模プロジェクトを担う責任と専門性、そして資格手当などの充実にあります。
かつての「激務」のイメージは、「2024年問題」という法的な規制によって大きく変わりつつあり、業界全体が「新3K(給料・休暇・希望)」の実現に向けて動いています。
ゼネコンで高年収を目指すには、この業界の変化を正しく理解し、「実務経験」と「国家資格」という客観的なスキルを計画的に積み上げていくキャリア戦略が重要です。
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