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建設機械施工管理技士とは?1級・2級の違いと受験資格を解説

建設機械施工管理技士は、建設機械を用いた施工の計画・工程・品質・安全管理を担う国家資格です。

令和6年度の受験資格改正により第一次検定は17歳以上(2級)・19歳以上(1級)から受験可能となり、技士補制度の整備とあわせてキャリア形成の経路が明確になっています。

本記事では、1級・2級の違い、種別ごとの対象機械、合格率データ、CCUSや経審における資格評価について解説します。

この記事を読んでわかること
  • 1級・2級の権限範囲の違いと、2級第1種〜第6種それぞれの対象機械
  • 令和6年度改正後の受験資格と、1級・2級それぞれの合格率の実態
  • 建設キャリアアップシステム(CCUS)と経営事項審査(経審)における資格の評価内容

1.建設機械施工管理技士とは|役割・法的根拠・資格の位置づけ

建設機械施工管理技士とは|役割・法的根拠・資格の位置づけ

建設機械施工管理技士は、建設機械を使用する工事において、施工計画の作成・工程管理・品質管理・安全管理を行うための国家資格です。

建設業法第27条および第27条の2の規定に基づき、国土交通大臣の指定試験機関である一般社団法人日本建設機械施工協会JCMA)が試験を実施しています。

資格保有者は、建設業許可に必要な有資格者として認められるほか、現場への配置が法的に義務づけられている主任技術者および監理技術者の資格が付与される点が、実務上の大きな特徴です。

1級・2級の違いと権限範囲

1級と2級では、担当できる工事の種類法的権限の範囲が異なります。

区分対象工事対象機械技術者としての役割
1級特定建設業・一般建設業(規模制限なし)第1種〜第6種すべて監理技術者・主任技術者として配置可能
2級一般建設業(下請発注額4,500万円未満)取得した種別のみ主任技術者として配置可能

1級は特定建設業・一般建設業いずれの現場でも監理技術者として配置できます。2級は一般建設業に限られ、かつ取得した種別の建設機械のみを扱える点が制約となります。

2級の第1種〜第6種:種別ごとの対象機械

2級は受験時に選択した種別に応じて対応できる建設機械が決まります。以下の6種別から、最大2種別まで同時に受験できます(奇数種別と偶数種別からそれぞれ1種別を選択)。

種別分類名主な対象機械主な作業内容
第1種トラクター系ブルドーザー(6〜12トン級)、レーキドーザー整地・掘削・押土・法面造成
第2種ショベル系油圧ショベル・バックホウ(0.28〜0.45m³級)掘削・積込・溝掘り・法面仕上げ
第3種モーターグレーダー系モーターグレーダー(3.1m級)路面整形・排水溝作成
第4種締め固め系ロードローラー・タイヤローラー・振動ローラー(10〜12トン級)転圧・締固め
第5種舗装用アスファルトフィニッシャー(2.5〜4.5m級)アスファルト混合物の敷均し・舗装
第6種基礎工事用くい打機・くい抜機・アースオーガ(杭打機40〜50トン吊級)杭打ち・杭抜き・削孔

現場で最も需要が高いのは第2種ショベル系)で、受験者数が他の種別と比較して多い傾向にあります。現在の業務内容や今後のキャリアを踏まえて種別を選択することが重要です。

令和3年度改正による「技士補」制度

令和3年度の施工管理技術検定の改正により、第一次検定に合格した段階で「建設機械施工管理技士補」の称号が付与されるようになりました。

技士補制度の主なメリットは以下の2点です。

  1. 第一次検定の合格資格が永続的に有効となるため、翌年度以降は第二次検定のみを繰り返し受験できます。
  2. 1級の第一次検定合格者であって主任技術者の資格を有する者は、「監理技術者補佐」として職務を行うことが可能となり、監理技術者の専任義務が緩和されます。

企業側にとっては、1人の監理技術者が複数現場を兼務できる体制整備につながる制度上の変更です。

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技士補制度の詳細や転職での活用方法については、以下の記事で資格区分ごとに整理しています。1級・2級それぞれの取得メリットと年収への影響も解説しています。

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2.【令和6年度改正】受験資格はどう変わったか|新旧制度の比較と注意点

【令和6年度改正】受験資格はどう変わったか|新旧制度の比較と注意点

令和6年度(2024年度)より、施工管理技術検定の受験資格が改正されました。改正後の受験資格は第一次検定・第二次検定で異なる要件が設定されています。

なお、令和10年度(2028年度)までは経過措置として旧受験資格でも受験可能です。

第一次検定の受験資格(令和6年度改正後)

区分受験資格
1級 第一次検定受験年度末時点で満19歳以上であること(学歴・実務経験不問)
2級 第一次検定受験年度末時点で満17歳以上であること(学歴・実務経験不問)

改正前は学歴や実務経験年数による受験資格が設けられていましたが、第一次検定については年齢要件のみに簡素化されました。

第二次検定の受験資格(令和6年度改正後)

第二次検定は実務経験の要件が引き続き設定されています。2級の第二次検定受験資格は以下のいずれかに該当する者です。

  • 1級第一次検定合格後、受検種別に関する施工管理の実務経験が1年以上
  • 2級第一次検定合格後、受検種別に関する施工管理の実務経験が2年以上
  • 2級第一次検定合格者であって、受検種別に関する建設機械の操作施工経験(補助作業を含む)が6年以上

実務経験として認められる工事の範囲は、原則として検定種目に対応した建設業の種類(業種)に該当する工事に限定されます。

実務経験のカウント方法や証明方法については、一般社団法人日本建設機械施工協会が発行する「受検の手引」で詳細を確認することを推奨します。

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3.【最新】1級・2級の合格率と難易度の実態

【令和6年度データ】1級・2級の合格率と難易度の実態

建設機械施工管理技士の合格率は、1級と2級で大きく異なります。試験の構造として、第一次検定(筆記)と第二次検定(筆記+実技)の両方に合格することで資格が取得できます。

1級の合格率推移

直近の調査データによると、1級の第一次検定合格率は22.5%で、施工管理技士の各種目のなかでも難易度が高い部類に位置します。

第二次検定の合格率は57.6%と第一次検定合格者のうち約半数以上が合格しています。

検定区分平均合格率(直近4年)難易度の特徴
1級 第一次検定約24%マークシート式。施工管理技士種目のなかで合格率が最も低い水準
1級 第二次検定約57%記述式+実技。実務経験の質が問われる

なお、1級建設機械施工管理技士の総合合格率(一次通過者のうち最終合格に至る割合)は、施工管理技士7種目のなかで最も難易度が高いとされています。

参考:
日本建設機械施工協会|合格発表(令和7年度1・2級建設機械施工管理第一次検定)
日本建設機械施工協会|合格発表(令和7年度1・2級建設機械施工管理第二次検定)

2級の合格率推移

2級は1級と比較して合格率が高く、令和7年度の第一次検定合格率は44.9%第二次検定合格率は50.3%でした。

直近4年間の平均では、第一次検定が46%程度、第二次検定が72%程度で推移しています。

検定区分平均合格率(直近4年)令和7年度実績
2級 第一次検定約46%44.9%
2級 第二次検定約72%50.3%

第二次検定に含まれる実技試験の合格基準は得点率70%以上と、筆記試験(60%以上)より高く設定されています。

種別によっても合格率に差があり、第2種(ショベル系)は受験者が最も多い種別です。

参考:
日本建設機械施工協会|合格発表(令和7年度1・2級建設機械施工管理第一次検定)
日本建設機械施工協会|合格発表(令和7年度1・2級建設機械施工管理第二次検定)

他の施工管理技士との難易度比較

建設機械施工管理技士の特徴は、第二次検定に実技試験が含まれる点です。

他の施工管理技士種目(土木・建築など)は筆記のみで完結しますが、建設機械施工管理技士は実際の機械を操作する実技試験が課されるため、机上の学習だけでは対応できない構造になっています。

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4.第一次・第二次検定の出題内容と合格に向けた対策の考え方

第一次・第二次検定の出題内容と合格に向けた対策の考え方

第一次検定(筆記)

1級・2級ともに四者択一式のマークシート方式で実施されます。出題は「共通問題」と「種別問題」に分かれており、学習時間の目安は60時間程度とされていますが、実技経験により個人差があります

2級の出題構成は、共通問題32問から25問を選択解答し、種別問題は20問全問解答する形式です(合計45問解答、27問以上正解で合格)。

出題科目は土木工学・建設機械原動機・石油燃料・潤滑剤・建設機械・建設機械施工法・施工管理法・法規の各分野です。

第二次検定(筆記+実技)

1級の第二次検定は、第一次検定と同日に行われる記述式の筆記試験と、後日(8月下旬〜9月中旬)実施される実技試験の両方で合否が判定されます。

1級の筆記試験では「建設機械組合せ施工法」に関する論述問題が出題されます。

2級の第二次検定は筆記がマークシート方式(施工管理法、10問必答)と実技試験で構成されます。実技試験は選択した種別に応じた建設機械を実際に操作して合否が判定されます。

種別実技試験の主な内容
第1種(トラクター系)整地作業・掘削・押土作業
第2種(ショベル系)掘削作業・積込作業・溝掘り作業
第3種(モーターグレーダー)路面整形作業・排水溝作成作業
第4種(締め固め)転圧作業・締固め作業
第5種(舗装用)舗装材料の敷均し作業
第6種(基礎工事用)杭打ち・削孔作業

試験で使用する建設機械は会場で用意されたものを使用します。

持ち込みは認められていないため、日常業務で扱う機械と仕様が異なる場合でも対応できるよう、操作の基本的な手順を習熟しておく必要があります。

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建設機械の操作に必要な免許・資格の種類と取得費用・期間については、以下の記事で種別ごとに整理しています。実技試験の準備にあたって取得しておくべき資格の確認にも活用できます。

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第一次検定の対策ポイント

第一次検定は過去問の反復演習が学習の中心となります。出題範囲の各分野は体系的にまとめられており、市販の参考書や過去問集を活用した独学でも合格水準に到達することが可能です。

学習時間の目安としては60時間程度が必要とされています。単なる解答の暗記ではなく、解説を含めた理解の定着が実技試験や第二次検定への対応力を高めます。

第二次検定の対策ポイント

1級の施工経験記述では、担当した工事の概要を工事規模・工期・施工条件などを踏まえて定量的に整理しておくことが求められます。

記述試験の練習として、自身が経験した工事における課題設定と解決プロセスを文章化する訓練が有効です。

実技試験については、業務で日常的に操作している機械については基本動作の確認を、不慣れな種別については試験前の機械操作の練習機会を確保することが望ましい対応です。

5.取得後に広がる選択肢|CCUS・経審・社労士受験資格への影響

取得後に広がる選択肢|CCUS・経審・社労士受験資格への影響

建設キャリアアップシステム(CCUS)との連動

国土交通省が推進する「建設キャリアアップシステムCCUS)」では、保有資格が技能者のレベル判定に直接関係します。

建設機械施工管理技士の取得は、レベル3(職長クラス)やレベル4(登録基幹技能者等)への昇級条件に関わる場合が多く、資格保有が客観的な能力評価と処遇改善の基盤として機能します。

経営事項審査(経審)における加点

公共工事の受注能力を評価する経営事項審査(経審)においては、資格保有者1人あたり以下の点数が加算されます。

資格区分経審加点(Z点)
1級建設機械施工管理技士5点
2級建設機械施工管理技士2点

技術者不足が課題となっている建設業界では、経審の点数に直接寄与できる資格保有者は企業にとって採用優先度が高い人材となります。

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資格取得後の年収水準や地域別の給与相場については、施工管理の平均年収を職種・年代別データで解説した以下の記事で確認できます。

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社会保険労務士の受験資格

1級建設機械施工管理技士に合格すると、労務管理を担う国家資格である社会保険労務士の試験(国家資格による受験区分)に挑戦することが可能です。

近年の制度改正により、1級施工管理技士などの国家資格保有者は実務経験などの追加条件なしで受験資格が認められるようになりました。

建設分野の専門技術と労務管理知識を組み合わせたキャリア形成に活用できる経路です。

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6.建設機械施工管理技士|制度と活用の要点

建設機械施工管理技士は、施工管理技士7種目のなかで実技試験を伴う唯一の資格区分です。

令和6年度改正により第一次検定は年齢要件のみで受験可能となり、技士補取得を起点としたキャリア形成の経路が整備されています。

CCUSのレベル評価や経審の加点効果を踏まえると、資格の有無は個人の処遇と企業の公共工事受注能力の両面に影響します。

受験資格の詳細と最新の試験日程は、試験実施機関である一般社団法人日本建設機械施工協会(JCMA)の公式サイトで確認してください。

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